物価高騰が直撃、養鶏事業

養鶏の危機を訴える現地紙

養鶏の危機を訴える現地紙

 

キリマンジャロ山麓テマ村で実施している養鶏の試験プロジェクトが、タンザニアで続く物価高騰の直撃を受けています。養鶏では小屋建設やヒナの購入を除けば、もっともコストがかかるのは日々の飼料代です。その飼料代が半端ではなく値上がりしています。

 

各地の養鶏家からも悲鳴に近い声があがっています。上の記事でも飼料代が25%~50%も値上がりする一方で鶏の販売価格はまったく変わっておらず、このままでは養鶏は成り立たなり、政府による早急な対策、支援が必要との内容が掲載されています。

 

飼料代の急激な高騰は天候不順による原料作物の不作、耕作に必要な肥料の値上がりに起因していました。しかしここにきてロシアによるウクライナ侵攻がさらに物価を押し上げる懸念が深まっています。

 

飼料代を含む諸物価の高騰はすぐに落ち着くとは思えず、今回の試験養鶏でも利益を出すのは難しくなってきました。ただ試験養鶏はこのまま続けます。利益確保以外にも、インテンシブな管理による産卵率や産卵期間のデータ取得が、今後の養鶏事業の判断にとても重要となってくるためです。試験養鶏で飼っている鶏たちは丁度産卵を始めたところなので、今後の推移に期待しているところです。

 

それにしても、飼育費が上がっているのに鶏の売価が変わらないというのは何とも腑に落ちません。こうしたことは市場の需給バランスが崩れていない限り起きないのではないかと思いますが、ここに来て養鶏に参入する者が急激に増えているということなのか、その辺も注意深くウオッチしていかなければならないと思っています。