脱水状態の危険 ~人々は雨水や雪解け水で生きながらえています

©Petr Stefan/People in Need

 

ウクライナ東部では、水など、生きるために必要不可欠な資源が、長い間不足してきました。そして、戦争が始まると、その状況はかなり悪化しました。戦闘により無数の水道管が損傷し、絶え間ない砲撃の中でそれらを修復することはほとんど不可能です。こうして、ウクライナ東部の多くの場所では、完全に給水が遮断されてしまっています。

 

「攻撃が絶え間なく続き、ウクライナの人々にとって重要な資源がなにもかも枯渇してきました。中でも水は非常に重要な問題です。人々は脱水状態になっており、雨水を集めるか、雪解け水に頼らなければなりません」と、CAREオーストリアのエグゼクティブディレクターであるAndrea Barschdorfは言います。

 

CAREのパートナー団体である「People in Need」は、チェコ共和国から直接、多くの水を貯水するための特別なコンテナをトラックで輸送しています。今後もさらなるコンテナを、ウクライナ国内に運び入れる予定です。ウクライナ国内の多くの地域には井戸がありますが、大量の水を貯めておくことができません。そのため、地下の井戸や貯水池の水を貯めるためのコンテナが必要です。また、水源がない場所では、飲料ボトルを配布したり、タンカーで水を運んだりもしています。

 

ドニプロ市には、食糧、衛生用品、寝袋、マットレス、医療補助器具などの支援物資を積んだ7台の列車がすでに到着しています。さらに、ハリコフ、ドネツク地域、および東部の他の場所へも、トラックで物資が運び込まれています。人道回廊が開かれるとすぐに、特に救援物資が困窮しているマリウポリの港町にも送られました。

 

加えて、CAREと「People in Need」は、ウクライナ西部にある数十の集合的な避難所に、毛布、寝袋、マットレス、台所用品、ストーブ、鍋、食品、離乳食、衛生用品などを提供しています。

 

心理社会的カウンセリングセンターも設立され、トラウマを抱えた人々は専門家と話すことができます。遠隔地を訪問するためのモバイルカウンセリングチームも利用できます。

 

「避難所で暮らす人々の多くは、大きなトラウマを抱えています。みな、暴力を目撃し、それに伴う苦しみで心は傷つき、攻撃から身を隠すことを余儀なくされました。そして、愛する人にも別れを告げて、ここにたどり着いたのです」と、Barschdorf Hageは言いました。