職業訓練校からの離脱を決断、裁縫教室

 

政府の職業訓練制度の変更にともない、運営の方向性について判断が必要とされていた裁縫教室ですが、最終的に職業訓練校(公認校)から離脱することを決断しました。

 

この制度変更により、これまで政府の公認校として登録されてい民間の学校は再認定を受ける必要が生じていました。当会が支援しているTEACAの裁縫洋室は、再認定のための査察を昨年7月に受け入れ、その結果が待たれていました。しかしまもなく一年が経過しようという現在になっても、その結果が発表されません。問い合わせても「待て」と言われるばかりで、いつ出されるのかその見通しさえ告げられない状態です。

 

現地の学校は1月からが新学期で、当然それ以前に新入生の募集を開始しなければなりません。しかし査察結果が出ないため、新入生の募集ができません。再認定されるか分からない状態では、認定校であることが前提となっているこれまでの生徒も継続することができません。その間も教師の給料は発生し続けます。生徒の学費が裁縫教室を支えていますから、教室はあっという間に運営の危機に立たされることになりました。

 

さらに再認定されたとして、そのときにどのような条件がつけられるのかが全く分かりません。査察時点で設備の更なる充実や教師給与のアップを言われていましたが、それらはそのまま学費に跳ね返ることになります。TEACA裁縫教室は行き場のない少女たちが手に技術をつけ、自活していけるよう手助けすることを大きな目的としてきました。そうした家庭は貧困家庭であることが多く、そのためこれまでの学費も、その他の学校に比べて6割程度まで抑えて運営していました。それでも学費が払えない生徒がおり、従来以上に学費を上げれば、こうした少女たちに手を差し伸べることができなくなります。

 

カウンターパートのTEACAとも話し合いを続けてきましたが、認定校であることより、貧困家庭でも通える学校であり続けることを最終的に選択することにしたものです。ただし認定校を離脱すると、技術認定のための国家試験受験資格が得られなくなります。資格がなければ卒業後の就業機会にも当然影響し、それでも生徒の確保ができるのかというまた別の問題を抱えることになります。国家資格が得られないとなれば、そうした学校に払う学費はこれまでよりさらに低く抑えなければならないという厳しい現実があります。

 

当会はこれまで一部生徒の学費支援、裁縫教室の設備・消耗品の支援を続けてきましたが、学費をさらに抑えるためには、今後教師給与の支援が必要になってくると考えています。

 

いずれにしても、認定校を離脱した上で生徒の募集に着手するのは今年末になります。そこに向けて今後の学費設定や運営体制変更後の生徒募集方法、教師給与を含めた運営費について海外ドナーを含む支援を得られないか等、さらに検討を続けていくことにしています。