養蜂に立ちふさがるC難度の課題

今年、新型トップバー養蜂箱で初採蜜ができたキリマンジャロ山での養蜂ですが、その後害虫(small hive beetle、下写真)の襲来を受け、蜂群全滅の危機に追い込まれました。新型養蜂箱は入口に害虫防御のためのパーツを組み込んでいたのですが、木製の養蜂箱の隙間から入り込まれてしまい、あっという間に大繁殖されてしまいました。

 

養蜂箱に侵入したsmall hive beetle(赤丸印)。まだ侵入の初期段階です。

養蜂箱に侵入したsmall hive beetle(赤丸印)。まだ侵入の初期段階。

 

今後このsmall hive beetle対策をどうするか、非常に頭の痛い問題です。とにかく繁殖力が強く、いったん入り込まれると、ハチミツはおろかミツバチの幼虫も卵も全部食われてしまいます。ミツバチの群れは全滅するか、たまらず逃げ出すか、ミツバチの数が多い強群はsmall hive beetleと共生もできますが、ハチミツの収穫は激減してしまいます。

 

ミツバチを強群に育てるために給餌しています

ミツバチを強群に育てるために給餌しています

 

もともとアフリカ起源のこの害虫、日本にはまだ入り込んでいませんが、アメリカやオーストラリアなどは侵入を許してしまい、大被害を及ぼしています。いまのところ有効な薬はなく、先進国では被害軽減のためsmall hive beetleの幼虫の生育を阻害する線虫入りの水を散布するなどをしていますが、キリマンジャロ山の村ではとてもできることではありません。

 

とにかく巣箱の入り口やごく狭い隙間からでも容易に侵入してくるため、この害虫を防ぐのは、家にゴキブリを入り込ませないのと同じくらい難しいといえます。おまけにそれを全部駆除しないといけないので、C難度級の挑戦課題といえます。

 

巣箱にできた隙間

巣箱にできた隙間

 

この難題を何とか克服すべく、日々頭を悩ませ、あれこれ知恵を絞っています。短期間での解決は難しいでしょうが、この害虫対策なくしてキリマンジャロ山での養蜂は非常に困難だと考えおり、必ず解決したいと思っています。

 

害虫対策のためあれこれ話し合いながら、既存養蜂箱の改良に取り組んでいます

害虫対策のためあれこれ話し合いながら、既存養蜂箱の改良に取り組んでいます