【2023年7月】医療連携支援の取り組み

医療連携支援とは、医療的な支援が必要な若者に対して、臨床心理士や公認心理師などがカウンセリングや心理面接を実施し、必要に応じて、医療機関との調整や同行支援を行い、対象者が適切に医療を受けられるようにする支援のことです。

 

近年、虐待のトラウマなどで精神的な不安を抱えていたり、施設退所後の環境の変化や人間関係によるメンタルの不調など、精神面の課題を抱えた若者の相談が増えていて、専門的なケアが必要となってきています。

 

ブリッジフォースマイル(以下、B4S)では、そのような個別支援のニーズにも対応できるように、専門スタッフの配置と運営体制を整え、2022年度より熊本県・熊本市、2023年度より横浜市で医療連携支援を開始しました。

 

熊本事務局の医療連携支援の取り組みについて、専門スタッフの森髙さん(社会福祉士、公認心理師 以下、うぃんびぃ)、吉川さん(臨床心理士、公認心理師 以下、オディ)のインタビューを交え、紹介します。

 

 ー現状の課題、医療連携支援の良さや効果、これからどのような支援の形につなげていきたい、というところを教えてください。

 施設入所中の段階からメンタルに課題を抱えている若者が、誰からも何の支援もない状況で自活していくケースで、そのまま課題を抱え続けていることがあります。B4Sが医療連携支援に取り組むことで、退所前から私たち専門スタッフが彼ら彼女らと関われるようになり、関係機関に対して、もっと医療連携の必要性を促していくという視点を持って関わることができます。

 

専門スタッフが入ることで、病院の先生に適切な質問をすることができますし、病院がどこまでケアをしてくれているか、医療ソーシャルワーカーともやり取りができ、その後、B4Sの関係者間で役割分担をして、支援対象者の自立をどのように支えていけるか、という形で連携支援ができます。専門スタッフが状況を把握し、きちんと交通整理をして、必要な支援を丁寧に届けることの効果が生まれていると思います。(うぃんびぃ)

 

ー居場所(かたるベースくまもと)に来所する若者との関わりについて教えてください。

 オープンスペースで少し参加しつつ全体を見ながら、スタッフへ対応の助言をしたり、若者に顔を知ってもらう、顔つなぎ的な声かけを行っています。心理面接を受けた方が良さそう、となったとき、私の顔と名前を覚えてもらえていると、心理面接を受けるハードルは下がりやすいことや、スタッフが若者との話を進めやすくなるかなと思っています。

 

スタッフに対しては、「どのような対応の仕方が良かったのか」「前回の居場所の中で少し難しいやり取りがあったけど、心理的に見てどうなのか」など、ミーティング時や個別で話しをする際にアドバイスをしています。

 

「若者がなぜそういう言動をしたり、そういう関わり方をしやすいのか」という背景が大切で、例えば、「虐待を受けた経験があると、どのような反応が出やすい」「発達の特性がある」など気づくことができます。支援の見立てとともに若者の行動を説明して、その上でこの対応で良かったのか、もうちょっとこうするべきだったのでは、というところをスタッフに助言していくことが必要と考えています。

 

若者の言動をそのまま受けて、スタッフ自身がそのことでどんどん苦しくなったり、すごく傷ついたりすることもあるので、専門的にアドバイスができる部分はこれからもお伝えしていきたいと思います。(オディ)

 

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まだまだインタビューは続きます!ぜひB4SのHPでブログの続きもご覧ください。

https://www.b4s.jp/post-6410/