SDGs③ すべての人に健康と福祉を

SDGs⑫ つくる責任 つかう責任

SDGs⑰ パートナーシップで目標を達成しよう

日本全国

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全世界

アジア

環境や仕組み

市民社会の強化・改善

広く浅く、多くの人に直接効果を与える

ひとりひとりに深い影響を与える

事業・サービス・政策等のイノベーション

問題の悪化を防ぐ

問題の解決

問題を人々に認識してもらう

実行・確立段階

環境汚染

環境

公害の経験を活かし、持続可能な社会づくりに取組む

  • 寄付額

    348,000

  • 寄付数

    36

  • 開始日時

    2020/05/13 00:00

    終了日時

    期限なし

このプロジェクトは目標金額の達成に関わらず、決済されます。
支援申込後のキャンセルはできません。

【プロジェクトの概要】

 現在、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成がめざされていますが、「持続可能性」の概念形成の原点には、1950~60年代に世界各地で引き起こされた公害の経験があります。1972年、ローマクラブが「成長の限界」報告書を公表したことを契機に地球環境への危機感が高まり、1980年代に入り「持続可能性」という概念が提起され、今に至るのです。

 大阪・西淀川地域は、かつて大気汚染をはじめとする深刻な公害を経験しました。あおぞら財団は、西淀川大気汚染公害裁判の企業との和解金を財源としてつくられました。原告である公害患者たちは、20年以上に及んだ裁判で勝ち得た和解金を、個々人の補償にあてるのではなく、西淀川の地域再生に取り組む組織をつくるために、提供したのです。私たちは、「公害地域の再生」というミッションを掲げ、日本における公害問題の不幸ながらもその貴重な経験と教訓を受け継ぎ、持続可能な社会づくりをめざした実践活動を創造的におこなっています。

【プロジェクトが解決しようとしている社会課題/解決する方法】

 SDGsウェディングケーキモデルを使って、あおぞら財団の多岐にわたる活動についてご紹介します。

 日本の公害の経験は、市民・行政・企業が協働して問題解決に取り組んだ歴史であると言えます。公害地域の住民たちは声を挙げ、地方自治体を動かし、やがては全国の公害患者が力をあわせて、国に環境対策を進めることを促しました。各地で起こされた公害裁判は社会的関心を喚起し、公害患者は1992年のリオ環境サミットでも日本の公害問題を訴えました。やがて世界的な環境問題への意識の高まりの中で、企業の社会的責任が問われる時代に移り、徐々に公害は改善していったのです。

 そうした活動の積み重ねは、SDGsウェディングケーキモデルの最下層である「自然資本」(生物圏)を回復させる過程だったと言えます。

 しかし、公害の被害は、自然環境を脅かすだけではありません。公害が引き起こした健康被害は完全に回復することはなく、公害患者たちは現在も闘病を余儀なくされています。また、公害病のため働くこともままならず、生活は厳しいものとならざるを得ませんでした。さらに公害をめぐる企業・行政・住民の間で起きた数多くの紛争は、地域コミュニティを疲弊させました。

 あおぞら財団はそのような多岐に渡る公害被害を見据え、SDGsウェディングケーキモデルの中間層である「社会資本」(社会圏)に係わる多くの活動を展開してきました。

 具体的には、環境・福祉・防災の視点を重視し、地域資源の活用によるまちづくり(地域再生)、社会的弱者にやさしい交通をマネジメントする取り組み(交通再生)、地盤沈下などの公害によるリスクを抱えた地域の防災のまちづくり(安全再生)、大気汚染の影響から呼吸器疾患を抱えやすい住民を対象とした呼吸ケア・リハビリテーションの普及(健康再生)などに取り組んでいます。

 これらの活動に加え、設立20年以上を経て、近年では「財務資本、知的資本」「人的資本、製造資本」(経済圏)に係わる活動に取り組み始めています。地域活性化のために交流を促すソーシャル・ビジネスの立ち上げ(交流再生)や、地域資源を活かした環境文化をつくる活動(文化再生)などです。

 それらの活動の基盤にある考え方に、パートナーシップがあります。あおぞら財団は1996年に設立されましたが、その「設立趣意書」の中で、次のようにパートナーシップの重要性を指摘しています。

「公害地域の再生は、たんに自然環境面での再生・創造・保全にとどまらず、住民の健康の回復・増進・経済優先型の開発によって損なわれたコミュニティ機能の回復・育成、行政・企業・住民の信頼・協働関係(パートナーシップ)の再構築などによって実現されるものと考えられます。そのために、環境基本計画が提唱する『参加』の理念に立ち、市民の立場から、地方公共団体や企業、その他すべての社会的主体の協力を得て取り組む必要があります」

 あおぞら財団の活動は西淀川地域だけにとどまりません。日本の公害経験とその教訓を、次世代へ、そして世界へ伝え、SDGs達成に向け、市民・行政・企業などあらゆる主体が協働あえる持続可能な社会環境づくりをめざし、日本における公害の経験を国内外に伝える、ESDを展開しています。

 

団体情報
公益財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団)

大気汚染をはじめとする環境問題、住民の健康問題、まちの活性化など、公害によって疲弊した地域の再生に取り組んでいます。SDGs達成に向け、市民・行政・企業などあらゆる主体が協働あえる社会環境づくりをめざし、日本における公害の経験を国内外に伝える、ESDを展開しています。

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