＜私たちが活動で目指すこと＞

バングラデシュで家事使用人として働く少女が減ること

バングラデシュには現在、家事使用人として働く少女が数十万人いるとされています。彼女たちは、閉ざされた室内で働くことを強いられることから悲惨な状況下におり、教育の機会、子どもの権利を奪われています。

シャプラニールでは、ダッカ市内に3つの支援センターを設け、基本的な読み書きや保健衛生、家事の技術トレーニング、生活改善に必要な知識の習得等を支援しています。さらにバングラデシュの法制度に沿い、14歳未満の少女は学校へ編入できること、14歳以上の少女は家事使用人以外の仕事ができるような技術を身につけるようになることを目指して活動しています。

また、雇い主や地域住民、自治会、そしてバングラデシュ市民への意識啓発を行うことにより、少女たちを取り巻く人々の行動変化を促し、バングラデシュ社会全体の意識をかえることで、働く子どもがいない社会を目指しています。

＜目標を実現するために取り組んでいること＞

●少女たちへの取り組み

支援センターを運営し、ベンガル語や英語などの読み書き、計算などの基礎的な内容を学べる機会を提供しています。また、思春期の身体の変化や性暴力をいかに防ぐかを学ぶ性教育や身の回りを清潔に保ち病気を防ぐ衛生教育など生活向上に必要な教育を提供するほか、縫製やアイロンかけなどの技術研修、絵や歌・踊りなどを楽しむレクリエーション、運動会や文化祭などを実施しています。
 
●雇い主や保護者への働きかけ

少女たちの生活に影響力を持っている保護者や雇い主に、子どもの権利について知ってもらい、少女たちの生活、労働環境の改善をめざします。14歳未満の少女は公教育へ戻ること、14歳以上の少女たちは労働環境の改善と技術訓練を優先として、保護者や雇い主がその役割を果たすよう働きかけを続けています。

●地域社会への働きかけ

「センター」を開設している地域の住民組織や地方行政とともに、家事使用人として働く少女たちの権利が守られる仕組みつくりを目指します。これまでの活動で、自治来が自主的に支援センターを運営する活動につながるなど、当事者を取り巻く周りの人々の意識は着実に変化してきています。

●社会を変えるための啓発活動

ラジオ放送を通じて、子どもの保護者や雇い主、バングラデシュ市民に向けた啓発活動を行っています。家事使用人として働く少女たちが置かれている過酷な状況や、子どもの権利などを伝えることで、児童労働が当たり前となっているバングラデシュ社会に児童労働をなくそうという意識を根付かせることをめざしています。

●政府、行政への働きかけ

少女たちの権利を守るために、「政策」が法案化されることが重要です。そこで定められた内容、例えば14歳以下は雇用禁止、雇用する場合には契約を結ぶことなどが守られているのかを常に確認し、違反したケースに対応できる体制が作られる必要があります。バングラデシュ政府に対して「政策」の法案化、ダッカ市役所にはモニタリング体制の充実を求め、シンポジウムや対話集会を開催しています。

＜寄付によって達成できること＞
●約1,000円が、文字の読み書きの授業を2回分に相当します。
●約5,000円が、少女たちに人気の料理教室1回分に相当します。
●約10,000円が、雇い主に対して子どもの権利について知るワークショップ一回分に相当します。

＜センターの様子＞