避難民への食糧配付を続けています

 

避難民へ配付するお弁当を調理するshareQのスタッフ(レバノン 2024年11月)

レバノンとイスラエルは2024年11月27日、停戦に合意しました。しかし、その後もイスラエルと武装組織ヒズボラによる空爆や攻撃が行われたほか、隣国シリアのアサド政権が崩壊するなど、先の見えない情勢が続いています。AARはレバノンの現地協力団体shareQと協力して、国内避難民を対象にした食料支援を引き続きおきなっており、11月26日までに計2,176食を提供しました。

 

国連人道問題調整事務所(UNOCHA)の12月17日のレポートによると、停戦によって、約83万人の国内避難民がもともと住んでいた土地へ帰還した一方、約16万5,000人がいまだに帰還できていません。また、シリアに逃れていた約9万人の難民がレバノンに再入国しています。故郷に帰っても水道や電気などのインフラが戦闘によって被害を受けていたり、食料や教育、医療へのアクセスが限られていたりするなど、多くの課題が残されています。また、停戦が今後続くのか不明です。

 

現地協力団体「Share Q」職員アンナ・マリア・テイルーズからのメッセージ

 

「この1年、レバノンは戦争の影響で多くの家族が避難を余儀なくされ、先の見通せない生活が続くなか、多くの人々が困難な状況に置かれています。私たちは最も喫緊の課題である食料不足に注力し、避難民に栄養価の高い食事を提供しています。この危機では、レバノンの人々の生きる力や団結力が試されています。復興の道は険しく、まだ先は長いかもしれませんが、持続的な支援と地域社会の力があれば、レバノンは再び強く立ち上がり、明るい未来を築けると信じています」