パキスタンでは、7月から続いた大雨によって各地で大規模な洪水が発生しており、これまでに100人以上が犠牲になる被害が生じています。AAR Japan[難民を助ける会]はイスラマバード事務所の職員を被災地に派遣し、被災状況の調査を行っています。
重機を使った復旧作業が続けられている=ハイバル・パフトゥンハー州で2024年9月12日
AARは、特に被害の大きかった同国北部のハイバル・パフトゥンハー州に4名の現地職員を派遣しています。同州は山岳地帯に位置しており、山地に降り注いだ大量の雨が濁流となって各地で土砂崩れや土石流を引き起こしています。山あいに設置された生活用水を引くための設備や、小規模な水力発電の施設が流されたほか、道路や橋、家屋なども濁流に飲み込まれ、地域全体に深刻な被害が広がっています。
地域の人々に聞き取り調査を行うAARスタッフ(右の2人)
AARのスタッフが訪問した学校でも甚大な被害がありました。川沿いに建てられた学校には氾濫した川から濁流が教室に流れ込みました。他の学校でも、敷地の周りに設置された壁が破壊されたり、校舎の隣に建てられたトイレや校庭に置かれた遊具が流されたりするなどの被害が発生しています。
洪水の被害を受けた女子中学校
AARは、2022年夏のパキスタン洪水の際も学校への支援を行っており、今回の洪水においても、学校の建物やトイレなどの衛生施設の修復支援を検討しています。
今回パキスタンを襲った洪水について、メディアではあまり大きく報道されていません。しかし、パキスタン政府による援助にも限りがあり、支援から取り残されている人々が多くいます。AARのパキスタン洪水への緊急支援にご協力くださいますよう、お願い申し上げます。