8月12日中間報告

1. 概要

2月下旬のウクライナの人道危機により、約1,062万の人たちが自分と家族の身の安全のため、周辺国に避難(7月19日現在)。3月7日より日本人医師1人とハンガリー・国立センメルワイス大学に通う日本医学生1人が、隣国ハンガリーにてニーズ調査開始。3月9日、特定非営利活動法人AMDAと特定非営利活動法人TICO(徳島県)合同医療チーム(医師1人、看護師1人、調整員2人)が岡山を出発しハンガリーへ。そして国境近くの町や村で、地元の医療者たちと共に避難者への診療を開始した。19日に第3次チーム(医師2人、看護師1人)、4月2日に第4次チーム(医師1人)を順次派遣。第5次チームとして、第3次チームで入った看護師を再派遣した。その後、6月1日に第6次チーム(看護師1人)、23日には第7次チーム(調整員1人)、そして7月16日第8次チーム(看護師1人)を派遣している。

 

2. 活動

①国境の町や村で医療支援

①-1) 国境の村ベレグスラーニー (Beregsurany)

国境を越えてベレグスラーニーには、避難者のために中継地点「ヘルプセンター」が設置。合同医療チームはヘルプセンターにある仮設診療所に、ハンガリーの医療者と共に、避難者の診療を実施。24時間交代で医師・看護師が入り、1日あたり10人の患者を診察してきた。ヘルプセンターに滞在する避難者が減少している8月現在は、看護師が、自身で作成したメディカルチェックシートを用い全避難者の健康面を確認している。また、避難者を24時間見守るボランティアの方々からの健康相談にも対応している。さらに、チームは、ヘルプセンターにて避難された方々と過ごし、必要に応じて足湯やマッサージなどを提供するほか、避難中静かに過ごすことを余儀なくされている子どもたちがこの時はしっかり発散できるように、子どもたちと絵を描いたり、外で遊んだりしている。

   

 

①-2)  国境近くの町キシュバールダ(Kisvarda)にて

キシュバールダにある現地協力団体「ヴァルダ伝統文化協会」と一緒に、ハンガリーに避難してこられた方々を対象に行ったスポーツイベントに医療者として参加、参加した子どもたちにお菓子やジュースなども配布した。更に7月、支援の一環として料理イベントにも参加、日本からたくさんの想いを込めて絵やメッセージなどがつづられた法被を着て、焼きそばを準備。焼きそばは非常に好評で、繰り返し購入される方も多かった。この料理の売り上げは、ウクライナ避難者への支援物資の購入に充てられる予定。

   

 

②ウクライナへの支援

②-1) ウクライナの病院へ支援

前述の「ヴァルダ伝統文化協会」より、ウクライナの病院での医薬品不足の状況を伺った。日本人は入ることができないため、同団体を通し、医薬品の支援を行っている。また、ウクライナ人の検査を目的に、同団体会長である医師にポータブルエコーも寄贈した。ウクライナの小児病院などでも活用される予定。

   

 

②-2) ウクライナの国内避難者などへ支援

ヴァルダ伝統文化協会がウクライナへの物資運搬に使用する車両の一台がレンタカーであることを知った長期化する事態を鑑み、4月8日、車両を一台寄贈した。また、ウクライナ国内のリハビリテーション施設に避難する方々の生活のため、同施設関係者がAMDAに代わり、冷蔵庫や電子レンジなどを購入。さらに、流通網の遮断や、失業等で食糧などの購入が困難な方々への食糧支援も行っている。

  

アムダ(AMDA)

作成日時: 2022/08/12 16:16

寄付プロジェクト: ウクライナ人道支援活動