6月1日中間報告

1. 概要

2月下旬のウクライナの人道危機により、約519万の人たちが自分と家族の身の安全のため、周辺国に避難(4月23日現在)。3月7日より日本人医師1人とハンガリー・国立センメルワイス大学に通う日本医学生1人が、49万人が避難するハンガリーにてニーズ調査開始。3月9日、特定非営利活動法人AMDAと特定非営利活動法人TICO(徳島県)合同医療チーム(医師1人、看護師1人、調整員2人)が岡山を出発しハンガリーへ。そして国境近くの町や村で、地元の医療者たちと共に避難者への診療を開始した。19日に第3次チーム(医師2人、看護師1人)、4月2日に第4次チーム(医師1人)を順次派遣。現在、第5次チームとして、第3次チームで入った看護師を再派遣している。また、追加で6月1日、新たに看護師1人を派遣した。

 

2. 活動

①国境の町や村で医療支援

①-1) 国境の村ベレグスラーニー (Beregsurany)

国境を越えてベレグスラーニーには、避難者のために中継地点「ヘルプセンター」が設置。合同医療チームはヘルプセンターにある仮設診療所に、ハンガリーの医療者と共に、避難者の診療を実施。24時間交代で医師・看護師が入る。1日あたり10人の患者を診察するとともに、ヘルプセンターを巡回し、避難者や、避難者を24時間見守るボランティアの方々からの健康相談にも対応している。

さらに、チームは、ヘルプセンターにて避難された方々と過ごし、必要に応じて足湯やマッサージなどを提供するほか、避難中静かに過ごすことを余儀なくされている子どもたちがこの時はしっかり発散できるように、子どもたちと遊んだり、イースターイベントなども行っている。

 

①-2) 国境の町ザホニー(Zahony)駅

ザホニー町長の要請を受け、駅の中にある仮設診療所にて、ウクライナからの列車が到着する午後5時から3時間、現地医師とともに避難者の診療にあたっている。入った当初、診療室の薬が整理整頓されていなかったが、合同チームがハンガリー語・英語・日本語でラベルを作り、整頓用の棚は町長自らが搬入してくれた。

 

②ウクライナへの支援

②-1) ウクライナの病院へ支援

国境近くの町キシュバールダにある「カルパッチヤハウス(Karpatalja Haz)」にて、ウクライナの病院での医薬品不足の状況を伺った。日本人は入ることができないため、カルパッチヤハウスを通し、医薬品の支援を行っている。また、ウクライナ人の検査を目的に、ウクライナ人医師にポータブルエコーも寄贈した。

 

②-2) ウクライナの国内避難者などへ支援

カルパッチヤハウスがウクライナへの物資運搬に使用する車両の一台がレンタカーであることを知ったAMDA・TICOは、長期化する事態を鑑み、4月8日、車両を一台寄贈した。また、ウクライナ国内のリハビリテーション施設に避難する方々の生活のため、同施設関係者がAMDAに代わり、冷蔵庫や電子レンジなどを購入した。また、カルパッチヤハウスのパートナー団体「ヴァールダ伝統文化協会と協力協定を締結、この団体を通し、現在ウクライナ国内で必要とされている新鮮な野菜や果物などの支援も行っている。

 

アムダ(AMDA)

作成日時: 2022/06/08 18:01

寄付プロジェクト: ウクライナ人道支援活動