7月8日(金)に、びわこリハビリテーション専門職大学 教授 千住秀明先生を講師としてお招きして、
楽らく呼吸会を行いました。テーマは「自己管理」です。
昨年度はオンラインでつないでの開催でしたが、今回は先生が会議室に来られて対面で行いました。
参加者は13名(スタッフ含む)でした。
びわこリハビリテーション専門職大学 教授 千住秀明先生
最初に先生から「息切れと仲良く暮らそう~呼吸リハを身に着け自分らしい生き方を~」
というタイトルのお話がありました。
呼吸器の病気には、結核、ぜん息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、
間質性肺炎、非結核性抗酸菌症といった病気がありますが、
他の病気に比べると知られておらず、重症化してから初めて診察を受けるということになりがちです。
呼吸器疾患や呼吸リハについてのお話
呼吸器疾患の患者さんには、様々な症状があります。
例えば、冷房など急激な温度変化は咳が出る原因になります。
少し体を慣らす、冷気を直接体に当てないようにするといった対策で咳を防ぐことができます。
また、日中は咳が出なくても、寝るときに咳が出る人が多くいます。
これは起きている時は交感神経が気管を広げてくれていますが、寝るときには交感神経が働かなくなることも原因の一つです。
寝るときには、咳が出る前に口すぼめ呼吸や腹式呼吸をする、またお水や白湯を飲んで喉を潤すといったことで咳を防げます。
呼吸リハビリテーションは、「呼吸器に関連した病気を持つ患者が、
可能な限り疾患の進行を予防あるいは健康状態を回復・維持するため、
医療者と協働的なパートナーシップのもとに疾患を自身で管理して
自立できるよう生涯にわたり継続して支援していくための個別化された包括的介入」です。
この中で特に大事なのが医療者と患者のパートナーシップで、
病気を医療者任せにするのではなく自分で
病気とうまく付き合っていくことができれば、呼吸器疾患の患者さんでも生き生きと自分らしく長生きすることができます。
千住先生からは、呼吸リハビリテーションによって回復した患者さんの事例を動画で見せてもらいました。
重症化した患者さんが呼吸リハビリに取り組むことによって、元気になっていく様子がわかりました。
お話の後は、先生が一人ずつ患者さんの症状をみてアドバイスをしてもらいました。
肩の力をぬいて腹式呼吸を
症状をみながら、息がしやすくなる方法を教えてもらいました
重度のぜんそく患者のIさんは、あおむけで寝ることができないそうです。
先生からは「ぜん息の患者さんは肩で息をして首の後ろに力がかかってしまい、僧帽筋が固くなってしまう。
首の力を抜くと、腹式呼吸になってあおむけで寝ることができる」とアドバイスがありました。
また、足腰の筋力をつけることが息切れを解消することにつながりますが、
腰や膝が悪くて歩くことが難しい場合は、座った状態で
足に重りをつけて動かすといったトレーニングが有効といったアドバイスがありました。
先生は「リハビリというとがんばるイメージがあるが、呼吸器疾患の患者さんは普段の生活でがんばっている。
呼吸リハビリは、最初に息切れをとって患者さんを楽にさせる。
楽になるとリハビリを続けることができる」と、呼吸リハビリを続けるメリットのお話があり、会を終了しました。
呼吸会終了後のアンケートでは、参加者全員から「有意義だった」との回答がありました。
また、「筋肉がなくなると息切れがしんどくなるとは思わなかった。今日からトレーニングをしたい」、
「腹式呼吸について認識が変わった。ダンベルをつかって筋肉づくりをがんばります」
「先生に直接指導していただいてとてもよかった」といった感想がありました。
コロナ禍に入ってオンラインでの講座が増えていましたが、
2年ぶりの対面での講座は非常に充実した会になり、対面での良さを改めて感じました。
【今後の予定】
2022年度は下記のスケジュールで開催する予定です。
※新型コロナウイルスの感染状況をふまえて変更になることがあります。
お問い合わせはこちら→ TEL.06-6475-8885(あおぞら財団 谷内・鎗山)