主力活動地であるテマ村の境界を流れるムルスンガ川の氾濫を報ずる現地紙Mwananchi電子版(5月4日付)
タンザニアでは2021年、2022年と2年連続で小雨季に雨が降らず、首座都市ダルエスサラームで大規模な給水制限が実施されるなど、多くの地域で水不足に陥りました。キリマンジャロ山の村でも渇水となり、苗畑では多くの苗木が枯死することになりました。
ところが昨年末に始まった小雨季の雨は、年初の小乾季の間もダラダラと降り続き、そのまま大雨季に突入します。そして4月に大雨季が本番を迎えると、タンザニアをはじめケニア、ブルンジ、ルワンダなど東アフリカ一帯を大豪雨が襲います。5月初旬時点でこの豪雨により発生した洪水、土砂崩れでケニアで約230人、タンザニアで約160人が犠牲になっています。タンザニアでの被災者は20万人を超えたと報じられています。
豪雨はキリマンジャロ山でも降り続いており、これまでに約10人が土砂崩れに巻き込まれて亡くなっています。当会の活動地の一つムボコム区でも犠牲者が1人出てしまいました。そして4月25日に降った豪雨では、裁縫教室裏手の崖で土砂崩れが発生、寄宿舎と併設されている教師住宅に土砂が押し寄せました。幸い人命に関わることはありませんでしたが、土砂の圧力で壁が壊れ、作り直しが必要になっています。
裁縫教室裏の崖で発生した土砂崩れ
教師宅は危険な状態となり、教師と家族はいま現地カウンターパートTEACAの事務所で寝泊まりしています。一刻も早く復旧を進めたいのですが、現地ではいまも雨が降り続いており、さらに長期の雨で土が緩んでいることから二次災害の恐れがあり、すぐには着手できそうもありません。山の道も各所で寸断しており、資材搬入も当分の間できそうもありません。
教師宅に押し寄せた土砂
今回の豪雨では、タンザニア、ケニアともダムや貯水池の決壊により大きな被害が出ました。当会はキリマンジャロ山麓の村々と話し合い、当初今回の大雨季植林の計画にはなかった、山中の貯水池で堰堤強化のための植林にも取り組みました。
東アフリカに大きな被害をもたらした今回の豪雨は、昨年末に太平洋で発生したエルニーニョ現象が原因と多くの報道で指摘され、また政府関係者もそのように発言しています。オーストラリア気象局は4月中旬、このエルニーニョ現象がようやく終息したと発表しており、一刻も早く豪雨が和らいでくれることを願っています。
●裁縫教室教師住宅補修のためのご寄付のお願い
ここでご報告しましたように、当会がキリマンジャロ山麓テマ村で支援している裁縫教室が、豪雨による土砂崩れ被害に遭い、教師住宅と寄宿舎に土砂が押し寄せました。幸い寄宿舎は軽微な被害で済みましたが、教師住宅は土砂を何とか壁で支えている状態です。その壁にもヒビが入っており、危険で住める状況ではなくなってしまいました。
現在教師は家族とともにカウンターパートの事務所に移り避難生活を送っています。またそんな状況でも、授業に穴を開けてはいけないと普段と変わらず教鞭を執り続けてくれています。(下写真、右から2人目)
教師宅は、土砂が押し寄せてきた側の壁を取り壊して作り直さなければならず、その費用として約25万円が必要となっています。現地ではいまも雨が降り続いており、資材搬入を含めてすぐに工事に取りかかれるか分からない状況ではありますが、天候が回復し次第、可能な限り早く修復し、教師と家族が平常の生活を取り戻せるようにしたいと思っています。
この費用を賄うため、ぜひ寄付によるご協力をお願いいたします。多くのみなさまのご協力をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。
ご寄付は、GiveOneに登録されているタンザニア・ポレポレクラブの寄付プロジェクトのうち、「タンザニア・ポレポレクラブを応援!」(https://giveone.net/supporter/project_display.html?project_id=178)をご選択ください。6月の受付分は、すべて教師宅の復旧支援のために役立てさせていただきます。