大阪府立高等学校での授業に参加しました!

11月21日、大阪府立T高等学校の「テーマ別人権総合学習」(目標:生徒たちが「人間観を磨き自分の生き方を考える」ことができるようにサポートする)の中で、2年生39名への出前授業に伺いました。 ①まず、事前学習として子どもを虐待してしまった母親を描いた社会派ドラマを視聴した後の生徒さん達の感想や質問に答える形で、・当協会の活動紹介 ・虐待とは何か、その要因と背景、虐待への対応方法 ・児童相談所や児童養護施設の役割や実態などの概要を伝えました。 ②そして個人情報に配慮しながら、スタッフが支援した体験談をもとに、児童養護施設で暮らすある高校生について語りました。

幼児期から虐待されていた子どもが、いつも親切にしてくれていた近所の人に助けを求め、その人の通報で助けられたこと。施設に保護されて10年間、安心安全な場所で過ごしているにも関わらず、今も心の傷は疼き、対人関係で悩み、将来の職業や結婚等も自ら制限をかけていること。その一方、支援する大人達に助けられて大学進学を目指し、勉強に部活に頑張っていること。その他の事例も含め、虐待の影響の重さや、しかし、被虐待体験があっても支援を受けながら自立できる可能性があることを伝えました。

 

報道やニュースなどで知る「虐待は遠い存在」、「自分には関係ないこと」と思っている高校生も多い中、身近に虐待に苦しんでいる人がいるかもしれない、もし、そんな人がいたら親身に相談相手になり、公的機関に通報することで助けることができることを伝えました。
また、近い将来、親になる可能性のある高校生に向けて、経済的自立だけでなく精神的自立などを含んだ4つの自立を目指してほしいというメッセージを送るとともに、完璧な人はいない、困った時には助けを求めることがとても大切であると伝えました。
この授業が、虐待を回避したり、虐待に苦しむ人を助けられる社会の一員として成長する一助となればと願っています。