AARは、2025年9月に台湾に上陸した大型台風による洪水被害の被災者に対して、台北市のNGO「基督教芥菜種會」(The Mustard Seed Mission:MSM)と連携して支援を実施し、その活動を終了しました。
被災者の話を聞くAAR職員(右)=台湾南西部台南市で2025年9月 撮影:MSM
台湾各地で支援を展開
近年、複数の災害が同時、あるいは連続して発生する「複合災害」による被害が報じられることが増えています。台湾でも、東部花蓮県で2024年4月に起きた地震によって地盤が緩んだ地域に、台風が直撃することで、大規模な土砂崩れに発展するなど、各地で複合災害が起きたと考えられています。MSMは緊急支援の開始当初は花蓮市と周辺地域で活動していましたが、その後台湾の各地で複合災害が発生したため、台東県や台南県にも支援地域を拡大していきました。
台南市では、地震で住居を失い、行政が提供する仮住居で暮らす高齢者世帯を支援しました。生活家電を提供したほか、養鶏による卵販売の仕組みを整えるなど、生計再建に向けた取り組みを行いました。
「地方拠点」の強みを実感
台湾のNGOであるMSMとの連携はAARにとって多くの学びを得る機会となりました。MSMは、平時から台湾各地に拠点を置き、地域に根ざした多様なコミュニティ支援を展開しています。そのため、例えば、仮住居の滞在期限を迎えた被災者が、退去後に生活を再建していく過程まで見据えた、長期的な支援が可能となりました。
さらに、支援物資が備蓄され、職員も常駐している地方拠点が整備されているなど、各地で迅速な災害対応ができる体制が構築されています。AARも佐賀県や石川県に事務所を構えていますが、地域分散型の体制が災害対応力の強化に不可欠であることを、今回の連携を通じて改めて実感しました。
AARによる台湾台風緊急被災者支援へのご寄付の募集は、これにて終了いたします。ご寄付いただいた皆さまには心より御礼申し上げます。AARは、今後もスタッフの安全を確保しながら、国内外で発生する災害の被災者支援を実施してまいります。