ミャンマー中部で3月28日に発生した大地震から間もなく1カ月、被災地のマンダレー、ザガイン両地域および首都ネピドーを中心に死者3,700人、負傷者5,000人超の被害が報告されています。AAR Japan[難民を助ける会]と現地協力団体は支援物資を配付するとともに、災害時に支援から取り残されがちな障がい者や高齢者への支援に取り組んでいます。現地からの報告です。
AARの現地協力団体から支援物資を受け取った車いすの男性(中央)=ミャンマー中部マンダレー地域で2025年4月16日
AARと連携する現地協力団体は、マンダレーとザガインに暮らす障がい者世帯を訪ねて被害状況を確認するとともに、特に大きな被害を受けた障がい者と家族に食料、衛生用品などの支援物資を直接手渡しています。また、AARの支援チームは障がい児の親や高齢者に聞き取り調査を行いました。
倒壊した自宅の前で、AAR支援チームのインタビューに答えるタンタンさん(仮名)=ミャンマー中部ザガイン地域で2025年4月14日
震源地に近いザガインでは、多くの道路や橋が損壊して交通が遮断され、支援活動が遅れています。ひとり暮らしの女性タンタンさん(仮名・70歳)は「若くて元気だった頃は、野菜や果物を売って生計をたてていましたが、もう歳なので仕事を辞めて今は収入がありません。自宅は完全につぶれてしまい、どうすればいいのか分からない状況です。近所の人たちもみんな被害を受けているので、私のことなど気にしている余裕はなく、誰も助けてくれません」と訴えます。
AAR職員の手を借りて歩くソー君(仮名・中央)=マンダレーで2025年4月13日
マンダレー市内の避難場所に避難しているソー君は小児まひで身体に障がいがあります。母親のティダさん(仮名)は、余震が続く中、ソー君のことをとても心配しています。「息子は地震でショックを受けて、ずっと精神的に不安定です。こんな状況で世話をするのはいつも以上に大変ですし、また大きな地震が起きて私や息子がけがをしてしまったら、これ以上どうすることもできません」と話します。
多くの被災者が「支援物資が足りない」と訴える中、とりわけ在宅避難を送る障がい者や高齢者世帯には支援が届いていません。AARや現地協力団体が自宅を個別訪問すると、こうした被災者は「家まで直接来てくれる団体は他にない。本当にありがとう」と感激して話してくれます。
AARは「誰も取り残されない」復旧・復興のために、現地協力団体と連携してきめ細かい支援を続けてまいります。
AARのミャンマー地震緊急支援へのご協力を重ねてお願い申し上げます。