AAR Japan[難民を助ける会]の2つの現地事務所(ヤンゴン・パアン)から派遣した支援チームは4月14日、大きな被害を受けた同国中部ザガイン地域に入り、被災者から雨季を前にした支援ニーズの聞き取り調査をするとともに、避難シェルター(テント)配付や現金給付などの支援の準備を進めています。ザガインはマンダレーと並んで最も深刻な被害を受けた地域ですが、道路網が寸断されて人道支援が遅れていました。現地から報告します。
地震で脊椎を損傷した被災者の話を聞くAAR職員(左)=ミャンマー中部ザガインで2025年4月14日
震源に近いザガイン市街では、多くの建物が倒壊して街は廃墟のようになっています。下敷きとなって多数の犠牲者が出ましたが、がれきを除去する重機が不足しているため、震災から2週間を過ぎても遺体を回収できない場所が少なくありません。被災者は地震のショックから立ち直れないまま、無力感に包まれているように見えます。
地震で1階が潰れた2階建て家屋(写真に写っているのは2階部分)。この家では家族4人が亡くなった=ザガインで4月14日
被災地では不在中に家財盗難の恐れがあったり、けがをして動けない家族がいたりなどの理由で、多くの被災者が避難場所には行かずに自宅の庭先や空き地で避難生活を送っています。住民の中には「物資配付が不公平と聞いたので、避難場所には行きたくない」と話す人もいます。いわゆる在宅避難者には充分な支援が届かず、別の住民は「1週間前に国際機関からコメと豆をもらった以外は何も支援を受けていません」と訴えます。
倒壊した家の前でAAR現地職員(左)の聞き取りに答える被災者=ザガインで4月14日
聞き取り調査をした被災者の多くが、「雨季が始まる前にがれきを取り除き、自宅を再建するか避難シェルターを建てたいが、資材が高騰しており、乏しい貯えではとても買えない」と話します。教師の女性は「家財も現金も全て潰れた家の下に埋もれたままです。自宅のあった場所に、自力で小さなシェルターを建てたいのですが……」
AARは現地協力団体を通じた食料、衛生用品などの緊急物資配付に加えて、被災者が必要に応じて使える現金給付による支援を実施しています。シェルターの調達・設置も急務です。現地では多くの被災者が支援を待っています。AARのミャンマー地震緊急支援へのご協力をお願い申し上げます。
※安全上写真の一部を加工しています。