近付く厳冬 防寒着・毛布など配付:モロッコ地震被災地

写真:越冬支援で設置されたテントの前に集まる被災地の子どもたち=モロッコ西部(現地協力団体RTF撮影)

 

北アフリカのモロッコで9月8日に発生した大地震では、経済的に恵まれない同国西部のアトラス山脈の山間部が最も大きな被害を受けました。厳しい冬の訪れを前に、AAR Japan[難民を助ける会]は現地協力団体リフ・トライブス・ファウンデーション(RTF)と連携して越冬支援を行っています。現地からの報告です。

 

RTFはこのほど、山間部の6地区で、厳しい寒さと雪から身を守るために収容人数10人の防水テント22張に加え、防寒着と靴、毛布の越冬用キット117セットを配付しました。今回訪れた地区の中には、震災後いっさい外部からの支援が届いていなかった集落もあり、被災者からは「今まで誰も助けに来てくれなかったが、こうして支援物資を受け取って安心した。何とか冬を乗り切りたい」との声が聞かれました。

 

写真:協力し合ってテントを設置するRTFスタッフと被災者

 

モロッコ政府は住宅再建支援金の支給を発表しているものの、住宅を再建するためには、がれきの撤去、道路網や電力などのインフラ再整備を進めて地域全体を復興する必要があり、それには相当の時間を要します。一方で山間部の被災地には、気温が氷点下を下回る厳冬期が迫り、住宅再建を待っていては厳しい冬を乗り越えることはできません。

 

AARは別の現地協力団体アミス・デ・エコルとともに、家を失った被災者が身を寄せる避難民キャンプのトイレの整備も進めています。被災者が使いやすいように、この地域で一般的な便器を使用し、プライベートに配慮して小型テントで囲っているほか、衛生環境の悪化を防ぐためにコンクリート製の床、排水設備と浄化槽を設置します。

 

現地NGOと連携したAARのモロッコ地震被災者支援へのご協力をお願い申し上げます。