【イベントレポート】3/4 現状報告・活動報告「震災支援から教育へ」

 

Give Oneを通してあたたかいご支援を頂き、誠にありがとうございます。Piece of Syriaの鈴木です。

 

3月4日に開催された、【トルコ・シリア地震支援】現状報告・活動報告「震災支援から教育へ」のイベントレポートをお届けします。

 

Piece of Syriaは現地パートナー団体と協力し、2月6日未明に発生したトルコ/シリア地震で被災した方々の支援を行なってきました。

 

地震から1ヶ月が経とうとする中、どのように現状や支援ニーズが変化してきたのでしょうか。そして、これからどのような支援が必要になってくるのでしょうか。

 

今回は、現地パートナー団体のシリア事業担当のハッサンさんにシリア北西部のこれまでとこれからについて取材をし、お答えいただいたものを収録映像としてイベント中に公開しました。

 

 

以下、ハッサンさんへの質問を抜粋してお伝えします。

 

(質問に答えるハッサンさん)

 

1ヶ月が経っての現地の様子

 

 

「地震から1ヶ月が経とうとしている現在の様子を教えていただけますか」

 

まず、地震から時間が経ち、季節が変わり徐々に気温が暖かくなっています。

こうしたことは、テント暮らしなどをされている避難民の方にとっては精神的なやすらぎの一助となっています。

また、震災当時はまったく入ってこなかった国際支援の手も徐々に入ってきました。

 

ここ2週間では、国連とトルコ政府が連携して物資援助を開始してくれて、500台のトラック分の物資支援を届けてくれています。

 

(食糧配布の準備をする現地スタッフ)

 

これから必要となる支援

 

 

「これからどのような支援が必要となってくるのでしょうか」

 

 

これからは、大きく分けて2つの支援対応が必要になってきます。

まずは、一般的な物資援助です。医療的なケア、食料物資の援助、居住となるテントの配布が挙げられます。

これら3つの支援は、生きていくために確実に必要な支援であり、これまでも優先度を高く行われてきましたが、それはこれからも変わりません。

 

 

ただし、医療・食料については大きなNGOや国連の支援が入りつつあります。

(先生や生徒の家族を中心に、テントの配布や家の修繕費用を実施しています)

 

(先生や生徒の家族を中心に、テントの配布や家の修繕費用を実施しています)

 

さらに教育的な支援も重要です。

私たちは教育支援の団体としてSAKURA幼稚園の運営を行なってきています。

 

地震が発生してから、幼稚園は休園していましたが、1日も早い再開を目指してきました。(一度、再開したのですが、大きい余震があったため再度、休園に)

 

子どもたちが、また教育の場に戻ってくるというのはとても重要です。

なぜなら、それが子どもたちの地震からのトラウマケアにつなげることができるからです。

 

現在、子どもたちに向けてトラウマケアの一環として、心理社会的ケアの専門担当者と打ち合わせをた、新たなプログラムを計画中です。

 

保護者さんとも連携し、学校内外で子どもたちのケアをできるように努めていきます。

 

(地震直後のSAKURA幼稚園、建物は無事でした)

 

SAKURA幼稚園について

 

 

「現在とこれからのSAKURA幼稚園についてお聞かせ願えますか」

 

はい、現在SAKURA幼稚園は授業を再開しています。今週、子どもたちの卒園式が行われました。子ども達は、無事に幼稚園に通うことができています。

 

これからについて、2つの方向性を持って動き始めています。

まずは、受け入れる子どもの拡大です。
SAKURA幼稚園は、これまで200名の子ども達を受け入れていました。

皆様の普段のご支援や大口支援者様のおかげで、今月からその数を300名に増やすことができることになりました。

これは、教育のニーズが高いことを示しています。

 

元々、1年間のカリキュラムを立てていましたが、教育の専門家と相談し、今期から、半年間に変更していきます。より多くの子どもたちが教育に触れる機会を作るためです。

 

教育ではその質ももちろん大切ですが、全く教育を受けられていない子ども達が多くいる現状を踏まえて、その質と量のバランスを状況によって判断しなくてはいけません。

 

 

次に、心理社会的ケアの充実をこれから考えています。子どもたちが心から楽しめるアクティビティを用意することで、少しでもトラウマのケアになるように計画しています。

実際に、これまでも子ども達を開放的で広々とした市のグラウンドに連れていき、一緒に体を使ったゲームやボール遊びなど思いっきり遊べる場をつくりました。

 

このような活動を、これから毎週行えるように、担当の先生と工夫をしていきます。

 

 

(地震発生から2週間後に行った、アクティビティの様子)

 

これから必要な教育支援

 

 

「教育的な観点では、これからどのような支援が必要になってきますか」

 

 

まず、教育的な観点でこれから必要な支援は心理社会的ケアです

特に、建物が壊れてしまったりなどの経験を通してトラウマを抱える子どもたちのサポートが必要になってきます。

また、子どもだけではなく、保護者や先生などの大人の方のメンタルケアが必要になっていきます。

これについては、家庭環境を整えることが大変重要になってきます。

 

そのため、学校の心理社会的ケアの担当者と相談しながら、子どもと家庭の両方をサポートできる体制を整えていきます。

 

 

私たちのこれから

 

 

 「地震からの復興に向けて、私たちが一緒にできることはなんでしょうか」

 

 

まずは、お互いに協力して、この震災の状況から立ち直ることが重要だと思います。

今すでに、幼稚園の受け入れ生徒を増やしており、これをちゃんと維持していくことは重要です。

日本の支援者様と私たちの協力のおかげです、本当にありがとうございます。

 

ですが、この地震の影響は大きく、この地域や他の地域ではまだ教育が立ち直れていないところもあります。

現在の活動に加えて、今後はより多くの子どもたちが授業を受けられるようにしていくために、幼稚園あるいは学校を増やしていくことを目指していきたいです。

すでに多くのご協力をいただいていますが、是非これからも、お力を貸してください。

 

 

ハッサンさんの様子に「疲れていませんか?」と聞いたところ、

「今は疲れたといえる状況ではありません。もちろん疲労を感じます。ですが今、活動の手を止めることなく、復興が1日も早く終わり、またいつも通り子ども達が幸せに過ごせる日を実現させたいんです」

とお答えいただきました。

 

 

子どもや現地にお住まいの方々が、1日も早く日常を取り戻せる日を願って、ぜひご支援のほど、よろしくお願いいたします。

 

【代表中野による最新情報はこちらから】

https://twitter.com/hemuri_/status/1632390987468218368

 

https://note.com/hemuri/n/n7f11e2c11643