地震から半年~高止まりする支援ニーズ、熱波との闘い

 

トルコとシリア北西部で発生した地震から6か月が経過しました。両国で生じた被害は壊滅的なものになっています。トルコだけでも910万人がこの地震の影響を受けたと見られており、その中には祖国の慢性的な紛争から逃れるためにトルコに避難した170万人のシリア人も含まれています。 これまでにトルコでは5万人以上が命を落とし、今もなお300万人が避難しています。

 

 

■トルコの現状

トルコ南部のハタイ県は特に地震の影響を受け、約27万棟の建物が破壊され、2万3,000人以上が死亡、3万人以上が負傷しました。

トルコのキャンプでの生活は極めて困難で、人々は水や食糧などの必需品へのアクセスを人道援助に頼っている一方、同地域は過去数年で記録に残る最悪の熱波に見舞われています。地震によって重要なインフラが損傷したため水の供給は依然として困難で、収入を得る機会もほとんどありません。

CAREは、これまでに約6万5,000人に水、食糧、避難所、衛生設備への安全なアクセスの提供などの緊急支援を届けました。しかし、特に家庭や学校などの安全な環境を失い、脆弱性が高い女性や子どもたちの保護ニーズに関しては、根強い課題が残っています。

 

 

 

■シリアの現状

シリア北西部では、地震以前からあった多面的な人道危機によって450万人が影響を受けていましたが、地震によってそのうちの90%が生活を続けるために人道支援に依存している状態です。そして、その大多数は女性と子どもです。

2月の地震の余波で、すでに長年の戦争と昨年以来のコレラの流行の影響を受けていた人々は、ほんの数分で家やコミュニティを失い、氷点下の気温の中でホームレスになりました。 半年が経った今も、シリア北西部の人道状況は悲惨なままで、200万人がキャンプで生活し、300万人以上が食糧不安にあると推定されています。

この継続的に悪化する現実に加えて、7月には多数の火災や、命に危険が及ぶほどの猛暑が報告されており、イドリブ県とアレッポ北部県の両県で家屋やテントに被害を与えています。 家族は、夏の間は摂氏40度以上の高温に耐え、水へのアクセスが非常に限られた状態で暮らしています

このように脆弱な状況の中、CAREは避難所、食糧、水、衛生活動、健康と保護などの支援を67万5,000人以上の人々に届けています。 しかし、ニーズは高く、国連の安全保障理事会がシリア北西部への国境を越えた援助を再承認しなかったことは、そこに住むシリア人がすでに耐えている不安と不確実性をさらに増大させる結果になっています。

 

 

■CAREトルコ事務局長からのメッセージ

半年が経った今も人道援助の必要性は高いままであり、破壊の規模を考慮すると当分は低くなることはないでしょう。 私たちは現地で避難所、衛生用品、水、食糧などの緊急援助を提供していますが、人道的ニーズは計り知れず、今後も何年も続くでしょう

そして、私たちはシリアとシリア国民を忘れてはなりません。地震が発生する前から、人道支援のニーズは12年間の戦争開始以来、すでに記録的な高さに達していました。安全保障理事会がシリア北西部への国連の国境を越えた援助を再承認しなかったことと、それに伴って、シリアの最も重要なライフラインが不安定であることは、度重なる避難を経験した人々が、地震による被害から半年経っても未だに動揺している現在、容認できません。安全保障理事会が機能し、国連とNGO主導の大規模な人道支援の提供を可能にする決議案を復活させることが重要です。

地震から6か月が経った今日、既に実施されたことを踏まえて追加資金が投入されていますが、私たちは被災者たちの状況を非常に心配しており、政府や支援者の皆さまにその影響を思い出していただくのが私たちの義務です。地震の発生とそれに伴う社会経済的長期リスクは非常に憂慮すべきものです。人道的対応が衰えないことが最も重要です。