世界保健デー:被災者が直面している様々な健康リスク

 

今日、4月7日は「世界保健デー」です。
2か月前に発生したトルコ・シリア地震において、発生直後の健康ニーズは、主に身体的外傷と医療サービスの中断に関するものでした。しかし、被災したコミュニティが徐々に立ち直ろうとしている中、人々(特に女性と女子)は、より長期的な健康リスクに直面し、より広い地域で起こりうる感染症の流行に不安を感じています。

 

 

◆トルコでのニーズと対応

 

 

トルコでは、被災地全体で約160万人が、破壊された家の近くで仮住まいをしていることが確認されています。被災地では、清潔な水、衛生設備、衛生施設にアクセスできないことが、健康状態の悪化や病気の蔓延につながる可能性があるため、特に問題となっています。

この地域の緊急のニーズに応えるため、CAREは、安全で清潔な水、移動式便所、衛生用品を提供し、最も影響を受けたトルコ中南部の州の人々が住む非公式集落への対応に注力しています。CAREはこれまでに、飲料水、衛生キット、携帯トイレの配布など、水と衛生に関連する活動を通じて
3万人以上の人々に支援を行いました。配布したキットの数は174,000個以上になります。

 

 

◆シリアでのニーズと対応

 

シリア北西部において、地震発生以前に発生したコレラは、深刻な公衆衛生の脅威であり、地震による水、衛生設備、衛生インフラの甚大な被害により、さらにリスクが高くなっています。すでに栄養失調に苦しんでいる子どもたちや、避難民キャンプに住む妊娠中や授乳中の女性たちなど、弱い立場にある人々は特に支援を必要としています。


CAREは、シリア北西部の安全で十分な水の供給が受けられない家族に対し、1人あたり1日30~35リットル(約9.25リットル)の水をトラック輸送することで支援しています。また、国内避難民が多く住むキャンプやコミュニティを中心に、水道網を復旧させるために既存の給水所の運営を支援するとともに、水や衛生に関する活動を通じて191,000人以上の人々に支援を行い、174,323個以上の衛生・尊厳キットを配布しています (4月2日時点)。

 

 

また、アレッポにある小児科・産科病院、アレッポとイドリブにある基礎緊急産科・新生児ケアセンター3か所、性生殖クリニック3か所を支援し、産科医療、小児医療、出産後ケア、家族計画、出産前ケア、性と生殖の健康サービス、新生児ケアに重点を置いています。また、4つの移動医療ユニットとアウトリーチ・チームが、一般的な健康相談、栄養サービス、石鹸などの衛生用品の配布、コレラの蔓延を防ぐための保健衛生メッセージの提供などを行っています。

 

 

◆憂慮されるメンタルヘルスへの影響

 

身体的な健康ニーズに加えて、メンタルヘルスも非常に憂慮すべきものです。地震とその余震の後、コミュニティのメンバーから不安やパニック発作が報告されました。ユニセフによると、地震発生地域に住む540万人もの子どもたちが、不安、うつ病、心的外傷後ストレス障害などの精神的な問題に直面する可能性があるといいます。シリア北西部では、100万人以上の人々が精神的なサポートを必要としていますが、この地域にいる心理学者はわずか24人です。

 

CAREはグローバルなネットワークを駆使し、これまでに実施した豊富な緊急支援活動での経験やノウハウも活かしながら、被災地の人々が身体的にも、精神的にも健康を保てるよう、様々な角度からの支援活動を展開してまいります。

 

現地での支援活動を続けていくことのできるよう、どうか温かいご寄付によってCAREを応援ください。