【コラム】「気づき・発見・まなび」

子どもたちの居場所を運営する中で、私は「まなび」とは何かを問い続けています。恐らくこれには明確な1つの答えはなく、1人1人その時その瞬間に変化するものなのかもしれません。

 

 

みなさんは「まなび」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?知識や技術を習得することが「まなび」でもあり、自らが体験した失敗や成功を通して得られることも「まなび」といえるでしょう。人それぞれ「まなび」の価値観や捉え方は異なり、近年ではその多様性が見られるようになったと感じます。学校や塾はもちろん、習い事をする場所、近年ではインターネットの中にも「まなび」を得られる場所ができています。私たちが運営する居場所もその1つです。1人1人がのびのびと過ごせる居場所で、他者との交流や体験活動を通して、多くのまなびが得られる種があると思います。

 

 

私たちが運営する居場所は、1日のスケジュールに決まりはなく、過ごし方は自由です。1人でゲームをする子もいれば、スタッフや他の子どもと一緒に過ごす子もいます。こんなに自由で「まなび」に繋がることってあるの?と感じてしまいそうですが、些細なきっかけが多種多様の「まなび」へと変化します。たとえば何気なく字を書いているときや広告を目にしたとき、「これってなんて読むの?」「この漢字他の読み方で見たことがある」という何気ない一言から、「じゃあこの漢字はなんて読む?」と漢字クイズに発展したり、将来就きたい職業の話から「じゃあその職に就くには、どんな資格が必要だろう?」と調べ始めたり、自分が気になったときに自然と興味を深める事に繋がる場面が多くあります。同じ居場所で過ごす他者のことを知ることも「まなび」、学年が異なる子やスタッフと交流することで得られる考え方や価値観も「まなび」になるのではないかと私は考えています。彼らは学校とは異なる居場所で何気なく過ごしている中でも、多くの気づきや発見を生み出し、まなびへと繋げています。

 

 

そんな彼らから不登校について「毎日学校に通っている子や、大人からのイメージって、、、」「自分は不登校だから、、、」といったネガティブな声も聞かれます。私たちが思っている以上に当事者の彼らは、不登校であることに対し引け目を感じているのだと思います。そして、そんな気持ちを抱えている彼らは、進学や将来の就職に対しての不安を強く感じている様子も伺えます。学力や学歴の面で不安を話す子もいますが、「やりたいことがわからない」という声も多いように感じます。だからこそ、私たちが運営する居場所での気づきやまなび、体験活動での発見を大切にしていきたいと私は考えています。今回の修学旅行でも、初めて目にするものや初めての経験、ともに修学旅行を経験する仲間との交流の中から多くの発見を得てそれぞれの個性あふれる「まなび」へ繋がればと思います。そしてのちに、自分たちが得た「まなび」がそれぞれの人生の些細な道標になることを願っています。

 

NPO法人アスイク スタッフ 今野颯熙

 

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