【2023年9月】児童養護施設や里親家庭からの巣立ち後を見守る「自立ナビゲーション」

■自立ナビとは

自立ナビゲーション(通称「自立ナビ」)は、児童養護施設や里親家庭を離れ、社会に巣立っていく若者に、社会人ボランティアがマンツーマンで伴走するプログラムです。退所者からブリッジフォースマイル(B4S)に個人的な相談が寄せられるようになったことをきっかけとして、団体設立から4年目の2008年に開始されました。

児童養護施設等を退所した若者が、社会から孤立することなく安心して生活できるよう、特に環境変化が大きい初めの2年間をサポートすることが自立ナビの狙いです。

 

■きめ細かな自立ナビの活動準備

自立ナビに参加するルーキーの多くは、B4Sが実施する「巣立ちプロジェクト」(※1)の参加者です。一方、自立ナビゲーターを務めるのは、定められた研修を受講した社会人ボランティアです。B4S事務局は、ルーキーの希望や個性、社会人ボランティアの特性を踏まえてマッチングを行い、自立ナビのペアを決定しています。

※1主に高校3年生を対象として、児童養護施設等を出た後の一人暮らしに必要な知識、スキルを学ぶプログラム。毎年8月~翌年1月にかけて全6回のセミナーを実施。

 

■自立ナビの運営体制

自立ナビの活動が始まると、ペアを組んだ社会人ボランティアとルーキーは、毎月1回、定期的に面談を行います。面談の都合がつかない時も、月に1度は社会人ボランティアからルーキーに連絡を取ります。そして、毎月のやり取りの様子は、専門支援の知見を持つB4Sスタッフに報告され、B4Sスタッフから社会人ボランティアにフィードバックがあります。

また、自立ナビに参加している社会人ボランティア同士が情報交換する機会(通称:井戸ナビ会議)も設けられており、ルーキーとのコミュニケーションについて、悩みを共有したり、助言を得たりする場として活用されています。

 

このように、ルーキーと社会人ボランティアのペアをB4Sスタッフが見守るという形で、自立ナビは運営されています。

 

■自立ナビの活動実績

こうした取組の積み重ねで、自立ナビの活動は少しずつ広がってきました。最初は13ペアで始まりましたが、19年目の今年は合計101ペアが活動中。この3年で関わったルーキーと社会人ボランティアは、延べ600人以上に上ります。

 

■自立ナビの新たな役割

自立ナビは、近年、継続支援計画のフォローアップという新たな役割も担うようになってきました。

 

継続支援計画とは、国が実施する「社会的養護自立支援事業」の一環で、「支援コーディネーター」が子ども本人、施設職員や里親などの意見を聞きながら策定する児童養護施設等を出た後の支援計画です。内容は、生活習慣、職場での人間関係、金銭管理などの社会的自立の能力、親との関係性の整理など、多岐にわたります。

 

■自立ナビの課題と展望

このように、若者を継続的に見守るプログラムとして、B4Sの活動の中でも重要な位置を占める自立ナビですが、担い手となる社会人ボランティアは、常に人数が足りていません。毎年自立ナビに申し込んでくる若者の数が社会人ボランティアの数を上回っており、一部の社会人ボランティアが2~3人の若者を担当していることもあります。

 

こうした課題に向き合いながら、社会人ボランティアの安定的な確保とサポート体制の維持に努め、自立ナビを必要としている若者にプログラムが行き届く状態をつくることが、B4Sの現在の目標です。

 

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ブリッジフォースマイルのHPに掲載されたブログより抜粋。

https://www.b4s.jp/post-6781/

 

ブログでは「自立ナビゲーション」についてさらに知る事ができ、

自立ナビ関係者の声として、社会人ボランティアの声を掲載しています。

自立ナビとは~新たな役割や課題と展望など、盛りだくさんな内容となっていますので

詳しくはHPのブログもぜひご覧ください。