1カ月分の食料を配付・・・まだまだ支援が足りません:アフガニスタン地震

AAR Japan[難民を助ける会]は、アフガニスタン南東部で発生した地震で大きな被害を受けた300世帯に、食料や衛生用品などを配付しました。現地では、厳しい冬に備えてさらなる支援を求める声もあがっています。


配付のため並べられた食料(写真はすべて、アフガニスタンパクティカ州ギヤン郡、2022年7月23日撮影)

米24キロなどをロバに積んで

「私たちがどんな状況にあるのか、どうか見てください。私たちには壊れた家の代わりになる場所が必要です。また、ここには電気がないので太陽発電のシステムも必要です。そして私には車いすが必要です。私たちを助けてくれたAAR Japanに感謝します。どうかこれからも支援を続けてください」。今回食料を受け取った一人で、障がい者のサキ・ディーンさんは力を込めてそう語りました。


食料配付の列に並ぶサキ・ディーンさん(中央)

6月22日に発生したマグニチュード5.9の地震で、1,036人が死亡し、2,989人以上が負傷したとみられています。脆弱なレンガ造りの建物が多く、4,543棟が全壊または一部損壊し、今も多くの人々がテントなどでの生活を強いられています※。

食料配付は、大きな被害が出たパクティカ州のギヤン(Gyan)郡で7月23日、300世帯に対して行われました。配付したのは1世帯あたり米24キロ、小麦粉1袋、食用油10リットルのほか豆類、塩、砂糖など約1カ月分の食料と、手洗い用の石けん(6個)などです。配付会場には事前に連絡を受けた住民が集まり、受け取った物資をロバやオートバイに乗せて持ち帰りました。


配付された食料をロバに積む


食料を受け取った後には笑顔も

地雷回避の方法を伝えるノートも

アフガニスタンでは各地に数多くの地雷や即席爆発装置が存在しており、今回の地震の被災地でも被害が生じる危険があります。AARは、独自に作成した地雷回避教育のメッセージが付いたノートやリーフレットを支援物資とあわせて配付し、受け取った子どもたちは真剣にノートを見ていました。


地雷回避の方法が書かれたリーフレットを手にする男の子たち

冬の季節が来る前に

食料を受け取ったサキ・ディーンさんは自身の厳しい状況を語ってくれました。「家族で平穏に暮らしていたのに、地震が起こり、何もかもが絶望的な状態です。私は障がい者ですが、もともと政府から何の援助も受けられていませんでしたし、ここには障がい者のための特別な対応をしてくれる施設もありません」。

アダム・カーンさん(60)は22人の家族とともに安定した暮らしをしていましたが、「突然の地震ですべての夢が砕かれ、すべてを奪われた」と嘆きます。「これから冬の季節がきますが、食料を買う余裕もなく、家を修理することもできません。このままでは皆、冬の寒さの中で死んでしまうでしょう。引き続き支援をお願いします」と訴えました。


アダム・カーンさん(左)から話を聞くAAR職員

別の男性は「私たちは支援を長くは待てる状況にないのです。私たちは貧しく、飢えており、瀕死の状況にあります」と強い口調で話しました。

山岳地帯に位置する被災地は極めて道が悪く、AAR職員が支援物資を運搬する際にも長い時間がかかりました。冬になると山岳地帯の道路は一層危険になるため、早期の追加支援が必要とされています。皆さまの一層のご協力をお願いいたします。

ご支援はこちらから↓
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