「ここは私たちの憩いの場」ウクライナ難民集う交流センター:モルドバ

ロシアの軍事侵攻を逃れた約11万人のウクライナ難民が暮らす隣国モルドバ。AAR Japan[難民を助ける会]は今年7月、首都キシナウに難民と地元住民が交流するコミュニティセンター「Space for Smile」を開設し、たくさんの人々で連日にぎわっています。

(写真)AARが運営するコミュニティセンターでクリスマスの飾りを作るボランティアメンバー=モルドバの首都キシナウ

 

「子どもたちは、こんな飾りを喜ぶかしら」「こっちの色にしましょうか」――。雪がちらつき始めた寒い日の午後、暖房を入れたセンターには、クリスマスの飾りつけを作るためにボランティアメンバーが集まっていました。色とりどりの花やキャンディー、雪だるまなどをあしらった美しい飾りが次々に手作りされていきます。

 

AARが現地協力団体レジーナ・パシス(Regina Pacis Foundation)と運営する同センターには社会福祉士が常駐し、相談者のニーズを丁寧に聞いて個別支援をしています。モルドバに避難して日が浅い難民世帯、ひとり親で子どもが多い家族、障がいや持病を持つ人々など、問題を抱えた人を特定して継続的な支援を提供することは、このセンターの大事な役割のひとつ。協力団体の医師や心理療法士による専門的な支援にもつないでいます。

 

もうひとつの大切な役割は、難民・地元住民双方にとっての「憩いの場」であること。AARはセンターの利用者に対して、日々さまざまなプログラムやイベント、時には郊外の遠足などを企画し、誰もが気軽に交流できる機会を用意しています。もちろん、こうした活動を支えるボランティアメンバーもセンターの大切な一員です。

 

(写真)モルドバの祝日「キシナウの日」(10月14日)を祝うイベント