被災者のニーズに合わせ支援を継続しています

グッドネーバーズ・ジャパンでは、2021年4月より紛争による国内避難民および医療機関への支援を継続しており、今年2022年4月より3期目であるフェーズ3支援事業を実施しています。


<フェーズ1>
期間:2021年4月~2021年10月
対象地域:ティグライ州/Mekele,Wukro (2地域)
支援内容と受益者:食糧支援1,550世帯、栄養支援500世帯、医療支援7施設

<フェーズ2>
期間:2021年10月~2022年4月
対象地域:アムハラ州/Debre Birhan,Efratana,Shewa Robit,Ataye (4地域)
支援内容と受益者:食糧支援1,250世帯、栄養支援620世帯、医療支援7施設

<フェーズ3>
期間:2022年4月16日~9月15日
対象地域:アムハラ州/South Wello (1地域)
支援内容と受益者:食糧支援860世帯、栄養支援630人、医療支援5施設

グッドネーバーズ・ジャパンは、2021年12月から2022年1月にかけて、紛争拡大により避難民が多く生じているアムハラ州への現地調査を実施しました。現地政府や国内避難民避難所、被災医療施設への訪問を通して被災状況とニーズ情報を入手し、支援地域を見直しました。

 

【食糧・栄養支援】


国連WFPの報告によると、アムハラ州では370万人以上の人々が食糧支援を必要としています(2022年2月時点)。各地での紛争を逃れた多くの人々が避難所での避難生活を余儀なくされています。アムハラ州南ウォロ県には8つの避難所が開設されていますが、未だ支援を受けられていない避難所があることがわかりました。

フェーズ3事業では、他の支援機関からの支援を受けることができていない3つの避難所で避難生活を送る人々に対し、小麦粉、豆類、食塩、食用油といった現地で良く食べられる食糧2か月分を配付し、とりわけ栄養状況が悪化する子どもや妊婦・授乳中の女性に追加で栄養補助食品を提供し、栄養状態の改善をはかりました。

 

2022年2月から発生しているウクライナ危機の影響により、エチオピア国内における食糧の価格が著しく高騰しました。特に、エチオピアではウクライナ産の食用油が流通していることから、価格が2倍以上に高騰したほか、生産をストップした工場も多く発生しました。また、ガソリン価格の高騰により避難所への輸送コストが高くなるなど、調達から配付まで多くの困難が生じました。しかし調達が可能なサプライヤーを再び調査し、860世帯分の食糧を購入することができたほか、避難所にすべての食糧を届けることができました。

また、避難所への事前調査により、とりわけ栄養失調が蔓延する子どもや女性への栄養補助食品提供のニーズが非常に高いことがわかりました。これら栄養補助食品とは、調理不要かつ小さな子どもでも食べられるペースト状の食物に、ビタミン、ミネラル等の必要栄養素を加えた栄養補助食品であり、主に栄養失調の治療や予防に使われます。

グッドネーバーズ・ジャパンは国連ユニセフ等が同国で採用するコーンと豆をベースとしたCSB (Corn and Soya Blend)を購入し、3つの避難所で避難生活を続ける5歳以下の子どもと妊娠・授乳中の女性630人に対し、栄養補助食品の配付を行いました。

 

【医療支援】

ティグライ州やアファール州と同様に、アムハラ州の多くの医療施設が紛争による破壊や略奪行為により被災しました。また、サプライチェーンが崩壊したことにより必要な医療物資が届かず、被災した人々や地域住民は、怪我や病気の治療を十分に受けることができず、医療崩壊が起きていました。

アムハラ州南ウォロ県では、県内にある全146施設のうち、9つの病院、101のヘルスセンター、81のヘルスポストが被災し、これよりおよそ1,000万人以上の人々が影響を受けています。フェーズ3事業ではこうした医療施設のうち、特に医療物資の不足が著しく、優先度の高い5つの医療施設を現地行政との協議により選定し、支援を行いました。各医療施設からの細かな要望をくみ取り、治療に最低限必要とされる抗菌薬、抗炎症剤、解熱鎮痛剤など44種類の医療薬と、ブランケットや注射器などの物資、血液検査機、血圧計、パルスオキシメーターなどの医療機器を配付しました。

これにより、医療施設が再び市民へ医療サービスを提供できるようになります。

エチオピアで支援を必要としているすべての人のため、どうか、緊急支援募金にご協力をお願いします。

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