【終了報告】温かいご支援、誠にありがとうございました!

2017 年 4 月から 2 期にわたり、サムットプラカーン県など3県 において実施してきた本事業が、2023年6月末をもって終了いたしました。ご支援くださった皆さまに、心より御礼を申し上げます。最終年度の活動内容について、以下にてご報告させていただきます。

 

 

■STEM* キャンプを通じた環境理解学習

複数の学校が合同で参加する形で、タイで深刻な環境問題の1つ「大気汚染」について考える参加型キャンプを開催。地球規模の課題への理解を深める全体セッションを行った後、生徒たちは小グループに分かれて、PM2.5 除去を目的とした集塵装置 制作のワークショップに参加しました。様々な種類のフィルターを試して最善の素材を選び、実際に簡易的な装置を制作。最後にグループごとに自作装置の集塵機能を試す実験を行いました。

 

*STEM とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、 Mathematics(数学)の頭文字をとった言葉です。

 

▲人体に影響を与える確率は?  PM2.5 粉塵量による様々な影響を算出するための実験中

 

 

■電気自動車を通じた革新的取り組みを “体験”

昨年 11 月には、タイ日産が運営する「Nissan Experience Center (体験施設)」への訪問が実現。生徒たちは、STEM が実社会で活か されている現場を視察しました。社員の皆さまから、同社の環境 負荷低減に向けたミッションのほか、石油消費を減らし気候変動 や大気汚染問題に対処するカギとなる電気自動車の仕組みや製品 開発のお話などを直接うかがう貴重な機会となりました。交通 手段としてだけではなく、蓄電池としての利用もでき、家庭での 消費電力を賄うと同時に、災害時などライフラインが途絶えた際 には電源供給源にもなるという説明を聞き、身近な生活や未来を 変える技術の力に、目を輝かせました。

 

▲緊張気味にタイ日産社員の方のお話を聞く生徒たち。充電完了後には、電気自動車への試乗体験も!

 

 

 

■起業体験活動を支える教師向けに新規研修を実施

本事業の活動の柱は、様々な研修受講後に集大成として行わ れる起業体験活動です。今年度も 15 校の生徒たちが、グループ ごとに商品企画から製造、販売まで一連の活動を実践しています。これらの活動には、CARE からのノウハウや資金的な支援のほか、各校の教師らのサポートが不可欠です。続くコロナ禍で重要性が増すオンラインを活用した商品販促・PR について習得すべく、今年は教師向け研修としてメディア・プロダクション 研修を初開催。3県から 35 名が参加しました。座学と実践の 2 日間に及ぶ研修では、タイ日産社員によるマーケティング研修ほか映像制作についても学び、実際に5つ の商品プロモーションビデオの制作を行いました。

 

▲実際にマーケットに赴き、土産物の撮影をする教師

 

 

タイでは、隣国からの移民が多い地域の子どもたちの学習環境は厳しく、中学・高校を卒業した後の職業選択も極めて限定され、貧困に陥りやすい状況です。このプロジェクトを通した起業体験活動や職能訓練などの様々な研修、さらには、現代社会を生き抜くために必要なジェンダー意識や身近な社会課題への理解と対応スキルの習得は、子どもたちの未来の可能性を広げることに繋がります。このプロジェクトの実現にお力添えいただいた皆さまに、重ねて感謝申し上げます。誠にありがとうございました。