タイマイ卵保護のご報告 2017-2019年

前回の報告から時間がたってしまいましたが、保全活動は順調に継続しております。 この保全活動は、乱獲により絶滅に追い込まれているインドネシアのタイマイを守るための活動です。ウミガメを守ることは彼ら自体を救うだけでなく、海や海岸の生態系を守る事、ひいては私たち人間活動を守る事にもつながります。アジア最大の繁殖地であるインドネシア、更にその中でも最大級の産卵を誇る重要な島のタイマイがこれからも守られていくよう、少しでも多くの方のご支援をよろしくお願いいたします。

 

【2017-2019年の実績】

2017年は島全体で1,784回の産卵があり、2018年は1,620回の産卵がありました。その中からそれぞれ100,019頭(2017年)、79,398頭(2018年)の赤ちゃんガメがふ化して海へ旅立ちました。本来だとヒトに乱獲されて生まれて来られなかったこれだけのウミガメを海に帰すことができました。

2019年は今のところ、1,780回ほどの産卵が確認されています。12月末からパートナー団体スタッフが現地入りし、ふ化後の調査を実施する予定です。

【2017年の特別な出来事】
ミズオオトカゲによる捕食から卵を守るため、砂や海水をかけて臭いを消すことで卵の在りかを分からなくするという保護手法を試しました。結果、海水では12.4%砂では5.5%、前年よりもトカゲに掘り出される巣を減らすことができました。
一方で何も保護していない巣も3.2%被害が減少しており、砂についてはあまり大きな効果が出ていません。海水は、ジョウロで海水を汲んで数回書けるという作業なのですが、かけたそばから掘り返されることも多く、現地スタッフのモチベーションがあがりません。産卵対応も増える中で、継続してもらうのは難しい状況です。幸いトカゲに食べられても沢山の子ガメを海に帰すことができているので、トカゲについてはしばらく様子を見ることにしました。

【2018年の特別な出来事】
エバーラスティング・ネイチャーでは、5つの島でタイマイ卵の保護活動を実施しています。近年は活動地外の主要なタイマイ産卵地を回り、産卵数の変動や脅威の状況を調査しています。その結果、このセガマ・ブサール島(このサイトで募集している保護活動地)がインドネシアの中でも最大の産卵地に成長していることが分かりました(活動開始から8倍に産卵数が増えたため)。

2019年も引き続き順調に産卵が増えております。この重要な産卵地を守っていけるよう、少しでも多くの方のご理解・ご支援をよろしくお願いいたします。