在宅避難者へも支援を届ける:九州北部大雨緊急支援

AAR Japan[難民を助ける会]では、7月10日以降、九州北部を襲った大雨被害の緊急支援を継続しています。緊急支援チームの生田目充が報告します。

 

「田主丸一麦寮」に衛生用品届けるAARの生田目=7月15日

 

障がい者施設への支援と被災状況の調査を継続

巨瀬川の氾濫で甚大な浸水被害を受けた障がい者施設「田主丸一麦寮」では、施設内や周辺に汚泥が流れ込み、乾燥した汚泥が風で舞い上がっています。汚泥の影響で衛生環境の面から感染症にかかる危険性が指摘されており、AARはマスクや掃除用のバケツや雑巾など感染症対策に必要な物資を届けました。

 

また、久留米市大橋町では社会福祉法人「拓く」と協力して、障がいのある方が週末に一時帰宅する自宅を訪問。家は大雨による被害を受けており、床下を乾かすための扇風機と延長コードを供与したほか浸水した畳を運び出すなど片付けをサポートしました。

 

隣接する朝倉市での調査も15日に実施しました。朝倉市社会福祉協議会などを訪問し、被害状況を聞きました。寒水川などの氾濫により複数地区が浸水しているものの、人的被害は出ていないということを確認できました。

 

社会福祉法人「拓く」に床下を乾かすための扇風機を支援=7月14日

 

在宅避難者にも広がる炊き出し支援

「こんな支援が来てたのは知らなかった。私たちは猫がいるので避難所では過ごせません。出きたてのお弁当、本当に助かります」

 

東京から駆け付けた谷川AAR理事(中央)、ピースプロジェクトの加藤勉AAR理事(右)、AARの大原真一郎

 

避難所となっている竹野小学校では、認定NPO法人ピースプロジェクトと協働して炊き出しを続けています。昼食は暑い中でも食べやすい蕎麦や素麺、夕食はしっかり栄養をとってもらおうと、生姜焼きやハンバーグを提供するなどメニューを工夫しています。

 

この炊き出しの情報を自治会や消防団の方々が在宅避難者にも伝えてくださり、17日までに1,350食を提供しました。被災地では、電気、水道、ガスなどが復旧していない世帯も多く、厳しい暑さの中で、掃除や復旧作業で疲れている方々に大変喜ばれています。

 

調理には、福岡市出身のマラソンランナーである谷川真理理事の親せきや友人の方をはじめ、地元の市議会議員や市役所の方もボランティアとして参加してくださいました。

 

障がい者施設「田主丸一麦寮」を運営する社会福祉法人八千代会理事長の郷原和彦さん(中央)に話を聞く谷川AAR理事

 

昼食に提供した蕎麦(左)と夕食の牛丼(右)

 

AARは、引き続き九州北部大雨緊急支援を継続するとともに、7月14日からの大雨による被害が出ている秋田県へも緊急支援チームを派遣します。
引き続きのご協力をお願い致します。

【ご協力はこちら】

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