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(2022年3月17日/スイス、ジュネーヴ)
3月17日、CAREは「CARE Rapid Gender Analysis Report」を発表。報告書では、ポーランドに到着する難民の抱えるリスクと、人道支援計画と緊急支援に関する優先事項が示されました。
この3週間で180万人以上がウクライナからポーランドに避難したことをうけ、CAREは、難民、特に同伴者のいない女性と少女が直面している深刻なリスクについて警鐘を鳴らしています。
CAREのジェンダー専門家Siobhán Foranがポーランドでジェンダー分析を行い、ジェンダーによる固有のニーズを細かく把握した上で、CARE の人道支援に活かしています。主な調査結果の1つは、国境検問所の状況に関するものです。
「国境検問所へは特に制限なく誰でも来ることができるので、多くの人々が集まってきます。男性だけのグループもよく見受けられます。そして、ここでは難民に対して、ポーランドおよび他のヨーロッパの都市の無料宿泊施設の情報を提供しています」とSiobhánは言います。
ボランティアの大半は善意しか持っていませんが、現在のような不安定な状況では、トラウマを抱えた身寄りのいない女性や幼い少女の難民に対して、さらなる危険が及ぶ可能性もあります。
「例えば、検問所への自由な出入りは、人身売買業者にとって、とても魅力的な状況です」とForanは警告します。「ポーランド当局は、難民の移動を助ける人々の名前とナンバープレートの登録を、早急に開始する必要があります」
他にも、本報告書は、ポーランドに入国する難民に関するデータに関して、問題点を指摘しています。国境検問所では登録手続きが必要ではありません。これによって迅速な移動が可能になりますが、短期および長期的な人道的計画、ならびに追跡や復興への取り組みにとって課題となることは明らかです。性別、年齢、障がいの有無、およびその他の要因によって分類されたデータは、今後の人道援助を計画するために不可欠な情報です。
CAREは、長期にわたる紛争は搾取や人身売買のリスクを高めると警告しています。「人々が衣食住を他の人々に依存している場合、これは彼ら、彼女らの虐待、搾取、人身売買といったさまざまなリスクを高める恐れがあります」と、Siobhánは訴えます。
「これは、イエメン、アフガニスタン、ベネズエラ、シリアなどの他の紛争状況でも見られる状況です。独裁的な権力によって、人道支援が必要とされている場所では、その状況を悪用しようとする人々が出てくるということでしょう」