SDGs③ すべての人に健康と福祉を

SDGs④ 質の高い教育をみんなに

SDGs⑪ 住み続けられるまちづくりを

SDGs⑰ パートナーシップで目標を達成しよう

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芸術文化

いつでも、だれでも、どこへでも、もっと気軽に豊かなミュージアム体験を。『みんなでミュージアム』プロジェクト

  • 寄付額

    3,000

  • 寄付数

    1

  • 開始日時

    2022/12/06 13:00

    終了日時

    期限なし

このプロジェクトは目標金額の達成に関わらず、決済されます。
支援申込後のキャンセルはできません。

【プロジェクトの概要】

 

障害のある人をはじめ、高齢者、子ども連れ、日本語を母語としない人などとミュージアム(美術館や博物館)との間には、さまざまな障壁(バリア)があります。ミュージアムが人類の共通財産として、よりアクセスしやすく、より多様な人たちの人生を豊かにする場所であるためには、個々のミュージアムと多様な人々の間をつなぐ「中間支援」が必要です。

 

そこでエイブル・アート・ジャパンでは、「みんなでミュージアム」プロジェクトを立ち上げて中間支援のあり方を議論し、文化庁の助成を得てモデル事業の実施に着手しています。

 

一方で、私たちが問題を提起し情報を発信することで、関心を持つ人が増え、自主的な活動として「ミュージアムアクセス」に取り組む方々も出てきました。

 

私たちの取り組みだけではなく自主的な活動が横につながり、多くの実践から課題や知見を蓄積していくことは、目標を早く確実に達成するためにとても意義のあることです。しかし、こうした自主的な活動に対して、私たちが運用している助成金を転用することはできません。

そこで、共にミュージアムを楽しむ機会を広げている自主的な活動と連携するために、助成金ではカバーしきれない資金、例えばサポートを受ける当事者やサポーター自身の自己負担にあたる経費のご寄付をお願いしています。

 

多くの方々が楽しみながら活動を広げていくことが、いつでも、だれでも、どこへでも、豊かなミュージアム体験をサポートする中間支援体制を早期に実現することにつながります。そして、このようにして構築した社会の仕組みは、ご支援くださった皆さま自身にも還元され、新しいミュージアム体験をもたらしてくれるものと確信しています。

 

【プロジェクトが解決しようとしている社会課題】

 

多様なミュージアム(※)を「自由に体験したい」「好きなものを好きな時に楽しみたい」と思うこと、文化芸術を享受することは本来、すべての人の生まれながらの権利です。しかし、令和4年度「障害者による文化芸術の推進に向けた全国の美術館等における実体調査」によれば、現在、障害のある鑑賞者のための事業を継続的に展開している(普段、施設に足を運びにくい方々を対象とした事業を企画・実施している)ミュージアムは、わずか21.0%にとどまります。人員も予算も制約があるミュージアムが、外部専門組織と協働することなく単独で対応することは負担が大きく現実的でないのが現状です。

 

また10年以上前から、文化芸術は子ども・若者や、高齢者、障害者、失業者、在留外国人等、どんな人にとっても社会参加の機会をひらく重要な機能を持つことが明示されてきましたが、なかなか進んでいない現状もあり、ミュージアムという場としても、社会としても、誰もが自由に文化芸術を楽しむ機会の創出は実現できていません。

 

※ミュージアム(博物館)とは、美術館をはじめ資料館、科学館、動物園、水族館など資料の収集や保管、展示を行う施設。歴史、芸術、民俗、産業、自然科学などさまざまな分野を含みます。


【解決する方法】

 

エイブル・アート・ジャパンでは、美術館や博物館に行きづらいと感じる人が、もっと自由にミュージアムにアクセスできること、どんな人も、より豊かなミュージアム体験ができること、そんな仕組みや方法をみんなで学び合い、考えていくプロジェクトを2021年に始動しました。

 

文化庁「障害者等による文化芸術活動推進事業」の助成を受け、初年度(2021年度)には、障害のある当事者と鑑賞の支援者、ミュージアム関係者、中間支援組織、ビジネスモデル組織にヒアリング・インタビューを行い、それぞれの視点から現状と課題、ニーズを収集するほか、プロジェクトの活動を機能させるシステムを検討しました。

 

△2年目の活動 学びの場「みんミの”わ”」

 

2年目(2022年度)はプロジェクト名称を「みんなでミュージアム(愛称:みんミ)」と定め、共に活動をしていく仲間づくりのため、ミュージアムとの実践協働や、立場や背景を超えた多様な参加者が事例や知見を共有しあい共に学びあう場づくりを行っています。

 

このプロジェクトでは、中間支援組織として市民と市民、市民と行政、行政と企業などの間に立つ中立的な立場で、組織が持つノウハウやネットワーク、情報などを活用した支援を行います。同時にミュージアムの受け入れ体制に左右されずに、「ミュージアムを体験したい」「好きなものを自由に見たい」「誰かと一緒にいきたい」と思ったときに、「いつでも」「だれでも」「どこへでも」同じようにミュージアムを訪問でき、かつ豊かな文化体験を保障する仕組みを作り、日本のインクルーシブなミュージアムの実現を進めていきます。

 

【みんミがめざす支援の仕組み】

 

2021年度に実施したヒアリングから、みんミに必要な3つの人材と役割を構想し、試験的に取り組み始めています。

①ミュージアム・アクセス・パートナー

障害の特性や体験スタイルに合わせてガイドをする人材。専門家とは異なり地域の団体や個人として介在し、依頼者が好きな時に行きたいミュージアムに出かけ、体験を楽しめることをめざします。

②ミュージアム・アクセス・コーディネーター

ミュージアムと協働して、ミュージアムのアクセスをコーディネートする人材。多様化する障害特性の相互理解が深まり、適切な配慮と環境形成が進むこと、その結果、だれもが安心してミュージアムを利用できることをめざします。

 

③ミュージアム・アクセス・インフォメーション

施設のバリアフリー情報、プログラムへのアクセシビリティ情報の発信連携。

すでにある全国のミュージアムや展覧会情報・ウェブサイトに、バリアフリーやアクセシビリティの情報を加えられるよう働きかけます。

 

 

【これまでに明らかになった課題と気づき】

 

これまでの取り組みでは、以下のような新たな課題・気づきが出てきています。

 

①ミュージアム・アクセス・パートナーの実践では、人材のマッチング方法、楽しむことと必要なケアを提供することの分担、などの課題も見えてきました。②ミュージアム・アクセス・コーディネーターの実践では、こうだったら楽しめる、行きやすくなるといったコーディネーターの声が、ミュージアムでの適切な配慮と環境づくりに反映されていきます。

 

現在は都心部においてミュージアムアクセス活動を実践し、事業モデルの検討を進めていますが、いずれは、人材・施設設備・資金がいかなる状況にあっても、すべての人にアクセスを提供できる仕組みの構築が必要です。

支援を必要とする人の「ために」特別な場を作るのではなく、ミュージアムを取り巻く一人ひとりが「共に」経験や知見を共有し、相互に学び合うコミュニティの形成を継続しながら、これらの仕組みを全国各地に広げ、日本中のミュージアムにおけるアクセシビリティの向上をめざします。

 

昨今の文化における平等な環境づくりへの関心は、障害者差別解消法や文化芸術基本法の施行とともに、社会全体の意識として高まっています。

みんミが目指すのは、だれでもいつでも文化芸術を主体的に享受できる環境整備をシステム化することです。

今後、このプロジェクトはミュージアム・支援者・当事者など多様な立場や背景を持つ人々とのネットワークを広げながら、全国どの地域でも自走できるシステムを作っていくことをめざします。

 

【寄付によって達成できること】

 

どうしたらミュージアムにアクセスしやすくなるか、どういう環境であれば楽しめるのか、といった課題や知見は、私たちの事業以外の自主的な活動においても蓄積していきます。そういった実践活動と連携すれば、仕組みづくりを加速させていくことができます。

しかし、現在私たちが運用している助成金には、資金の使途や事業の幅において制限があります。

 

皆さまからのご寄付とご支援によって、助成金ではカバーできない資金、例えばサポートを受ける当事者やサポーター自身の自己負担にあたる経費を充実させることができ、助成事業の枠にとらわれず自由にネットワークを広げ、さまざまなチャレンジができるようになります。

 

多くの方々が楽しみながら活動を広げていくことが、いつでも、だれでも、どこへでも、豊かなミュージアム体験をサポートする中間支援体制を早期に実現することにつながります。そして、このようにして構築した社会の仕組みは、ご支援くださった皆さま自身にも還元され、新しいミュージアム体験をもたらしてくれるものと確信しています。「共に」新しい社会の仕組みを作るメンバーとして、皆さまからのご支援をお願いいたします。

団体情報
エイブル・アート・ジャパン

障害のある人をはじめ生きにくさを抱えている人たちと共に、次のような活動に取り組んでいます。
・芸術文化活動を通して自らを自由に表現する場やしくみをつくること。
・作品を発表したり販売する環境を整えること。
・美術作品や舞台芸術作品にアクセスする機会と環境を充実させること。

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