配付会場に集まった大勢の人々=ミンダナオ島サランガニ州グラン町で2026年6月25日
フィリピン南部沖で地震が発生したのは6月8日でした。被災地では政府から食料が支給されているものの、震源地近くの海沿いの地域や山間部にはいまだに十分な支援が届いていません。
配付した物資。フィリピンの1世帯(4〜5人)が1カ月ほど暮らせる量=ミンダナオ島サランガニ州グラン町で2026年6月25日
政府から配付される食料パックの多くは2〜3日分の量だといい、現地協力団体のPHILRADSは震災直後から、支援の届きにくい地域へ重点的に物資を届けてきました。AARとPHILRADSは、ミンダナオ島サランガニ州グラン町でのニーズ調査にもとづき、コメや缶詰、油などが入った食料パッケージ、飲料水、水を持ち運ぶための容器などを配付することに決めました。6月26日、家屋が全壊または一部損壊し、経済的に困難な状況にある約400世帯を対象に、これらのセットを配付しました。
物資を受け取り、笑顔を見せる女性=ミンダナオ島サランガニ州グラン町で2026年6月25日
配付会場があるバトゥラキ地区は町の沿岸部に位置し、漁業や農業を営む人々が多く暮らします。ジェシルさんの夫も漁師でしたが、地震の影響で海水が引いてしまい、漁ができなくなりました。「これまで受け取った食料は数日しか持たず、こんなにたくさんもらって本当に感謝しています」とジェシルさんは話しました。
ジェシルさん一家が暮らしていた地域は、地滑りの危険のために立ち入り禁止になっています。「怖くて家には戻れません。避難所のテントはココナッツの葉で屋根を覆っているだけで、風が吹くと倒れてしまうし、雨が降れば浸水してしまう。今の一番の希望は安全に暮らせる場所です」と目元を潤ませながら、ジェシルさんは話しました。

震災当時のことを語るジェシルさん(右から2番目)=ミンダナオ島サランガニ州グラン町で2026年6月25日
ジェシルさんの話を聞いている際、職員にはほとんど感じ取れないほどの小さな余震が起こりました。ジェシルさんは一瞬で表情をこわばらせ、隣に座る女性の腕を掴みました。被災した人々のこころに深く恐怖が刻まれていることを感じた瞬間でした。
被災地では今も、住まいや生活の見通しが立たない人が多くいます。AARは現地のニーズを見極めながら、必要とされる支援を届けてまいります。引き続きのご協力をお願いいたします。
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