地震から2年 障がい者の困りごとと寄り添う

能登半島地震から2年。被災地では、今も多くの被災住民が生活再建の途上にあります。とりわけ障がいのある方々は孤立しやすく、支援の網からこぼれやすい状況に陥ります。そうした方々の「困りごと」に寄り添う個別支援を続けています。

被災者支援制度の申請に同行するAAR職員(左)(2024年6月7日、石川県羽咋市)

「通院が難しい」「地震で散らかった部屋を片づけたい」
発災直後からAARと協力して支援を行ってきた障がい者団体の日本障がいフォーラム(JDF)の「JDF能登半島地震支援センター」(七尾市)には日々、障がい者やその家族からさまざまな相談が寄せられます。AARはJDFや地域のNPOと協力し、病院や福祉施設への送迎、家屋の応急処置、行政窓口での被災者支援制度の申請サポートなど、2025年12月1日までに93件の相談に対応してきました。

「困っているのはやっぱり食事かな。ヘルパーさんが来ない日は、近くのコンビニだけしか行けず、食事が偏ってしまう。」
そう話すのは、ダウン症の娘(35歳)と暮らす視覚障がいのある男性(77歳)です。AARはこの親子に対し、病院やショートステイへの送迎、買い物や提携電話の手続きの付き添いなど、日常の小さな困りごとを継続してサポートしています。親子をよく知るマッサージ師の女性は「近所の助け合いだけでは難しい部分をAARが担ってくれて、本当に助かっています」と話します。

行政の支援制度は手続きが複雑で、障がいのある方には活用が難しいこともあります。知的障がいのある男性と自閉症の息子の世帯で、地震で浴室は破損しました。AAR職員は男性とともに市役所に行き、応急修理制度の申請をサポートしました。被災状況の撮影や業者への見積もり依頼も代行し、無事に浴室を修繕することができました。

また、障がいや高齢のために自力で作業が難しい被災者の家屋に対しては、連携団体と協力して修繕作業も支援しています。

高齢のため自力での作業が難しい被災者の家屋の修繕作業を行う連携団体「風組関東」のスタッフ(2025年10月25日、石川県志賀町)

AARは、一部損壊のため補助がほとんど受けられず、自宅を修繕できずにいる高齢の要配慮者のご夫婦がいらっしゃると、志賀町役場から紹介を受けました。AARと連携団体は、このご夫婦の自宅の修繕を実施しました。ご夫婦は、「(寝室の)壁などが落ちてくるのではないかと心配していましたが、安心して眠れるようになりました」と話しています。

ショートステイへの送迎をするAAR能登事務所の栁町幸平(右)(2025年12月1日、石川県中能登町)

AAR能登事務所の栁町浩平は「障がいのある方々と接していると、買い物や家事、洗濯など、多くの場面で手助けが必要だと感じます。そうした日常の困りごとにも目を向けながら、今後も伴走し続けたい」と話します。

AARは被災地で障がいのある方々に暮らしに寄り添い、必要な支援を届けてまいります。加えて、被災地の地域コミュニティーの維持や活性化、外国人被災者支援を実施し、誰も取り残さない復興を支援します。今後もAARの能登半島地震被災者支援にご協力のほどよろしくお願いいたします。

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