2024年1月1日16:10ごろに石川県の能登地方で発生した地震を受け、グッドネーバーズ・ジャパンは被害を受けた石川県輪島市にて緊急支援活動を実施しています。
自治体や避難所の方々と連携しながら、1月6日から食品や衣類などの物資配布や炊き出しなど、その時のニーズに合わせた支援を行っていまりました。
地震発生から約2か月が経過し、被災地では2次避難が進み、仮設住宅の建設などが急速に行われています。しかし、一方で仮設住宅には日常生活を送る上で十分な設備が整っていないという問題も発生し始めています。
また、今回の地震により多くの子どもが心に傷を負い、続く余震や避難生活の中で大きな不安を感じています。
そういった状況を受け、グッドネーバーズ・ジャパンは以下の2つの事業を開始いたします。
①七尾市にて、応急住宅（建設型応急仮設住宅、市営住宅、定住促進住宅、賃貸住宅を全て含む）の住民に対して必要な電化製品を提供
②輪島市の小学生を対象とした心理社会的支援および学習支援事業の実施
※本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成を受け実施いたします。
① 仮設住宅などへの電化製品提供の支援（石川県七尾市）
石川県七尾市では、多くの家が倒壊または大きな損傷を受けました。現時点で、七尾市内で約800世帯が仮設住宅などの応急住宅にて生活することが予想されています。
しかし、応急住宅にはすぐに生活ができるような設備が整っていないことが多く、住民の方は生活基盤として家具や電化製品、他日用品を購入する必要があります。
グッドネーバーズ・ジャパンは、応急住宅に入居される被災者の方々の生活を支え、また家計の負担を軽減するために電化製品提供の支援を行います。
本事業は、電気ポットや炊飯器、電子レンジなどの飲食に関わる家電から掃除機や石油ファンヒーター、ドライヤーなどの日常生活に必要な家電などを含むリストから、各対象世帯が定められた金額内で製品を選ぶカタログ方式で行います。
※本事業はジャパン・プラットフォーム(JPF)加盟団体との共同事業です。各NGOやNPO団体が、震災により大きな被害が生じた市町を担当し、当団体は七尾市の支援を行います。提供電化製品はJPF加盟団体と調整のもと選定しています。
② 小学生を対象とした、心理社会的支援及び学習支援（石川県輪島市）
今回の震災により、石川県輪島市では2月22日時点で102名が亡くなり、激しい揺れや地盤沈下、火災、土砂崩れなどによって多くの家屋が住むことのできない状況となっています。
そういった状況で、多くの子どもが震災により心に傷を負い、約2か月経過した今も日常生活に戻ることができないまま大きな不安を抱えています。
石川県輪島市立鳳至小学校 校長への聞き取りによると、2月上旬時点で鳳至小学校の児童165人のうち、100人以上がすでに市外へ転籍しており、約60人が同地区に残っているとのことでした。そして、その60人のうち、30人が同地区内避難所で生活をしており、残り30人が自宅で待機している状態ということです。
この状況を受け、グッドネーバーズ・ジャパンは、輪島市鳳至小学校エリア及び近隣の小学校エリアの小学生を対象として、震災によって心に傷を負った子どもの心的負担の軽減のための心理社会支援と学習支援に取り組みます。
心理社会的支援
本事業は、精神科医の桑山紀彦医師が作成したPSSワークショップに沿って実施します。
PSSワークショップとは、写真言語法、描画法、粘土細工、はりがねの人生ワークショップ、ジオラマ制作を実施することにより、震災に係る子どもの感情の表出をサポートし、心の負担の軽減に繋げるプログラムです。
これまでグッドネーバーズ・ジャパンは、ロシアによるウクライナ侵攻によりルーマニアに避難してきた子どもたちへの心のケアのため、桑山医師とともにPSSワークショップを活用した支援を行ってまいりました。
本事業でも、研修を受けた現地スタッフが日々の支援活動を行い、また、定期的に桑山紀彦医師も事業地を訪れ、子どもたちの不安を軽減するために活動に取り組んでまいります。
学習支援
輪島市街地では、小学校・中学校のほとんどが避難所として利用されています。そのため、児童・生徒の学習は通常時と比べて非常に困難な状況にあります。
現在、石川県立輪島高等学校に輪島市街地の全ての校区の小学生を集めて授業を再開していますが、授業はもちろんのこと、通学や給食等の様々な問題が山積みとなっています。
グッドネーバーズ・ジャパンは、子どもの学力の維持・向上のため、学校の授業の補助という位置づけで学習支援事業を実施します。同時に子どもの預かり及び居場所提供の機能を果たすことで、親の負担を軽減すると共に、子ども同士の繋がりの場をつくることもできます。
最後に
グッドネーバーズ・ジャパンは、石川県や輪島市、七尾市、社会福祉協議会、教育委員会など関係する各組織や団体とも連携し、現地のニーズに合った支援を進めてまいります。