元気を届ける炊き出しメニュー「少しでも笑顔に」:能登半島地震

能登半島地震の被災地では、石川県内の避難所、車中泊などで約2万3,000人が今も避難生活を続けています。AAR Japan[難民を助ける会]は震災の発生直後に炊き出しを開始し、少しでも被災者の皆さんの力になれればと、これまでに輪島市、珠洲市、能登町などの避難所で累計2万6,000食の温かい食事を提供しています。

 

炊き出しの炊き込みご飯を盛り付ける加藤勉AAR理事=石川県珠洲市立若山小学校の避難所で2024年2月10日

 

AARの炊き出しの中心を担っているのは、パートナー団体の認定NPO法人ピースプロジェクト(代表:加藤勉AAR理事)。珠洲市立若山小学校の避難所で炊き出しの準備をしていた加藤さんは「野菜や肉類をふんだんに使うなど栄養バランスに気を配っています。厳しい状況で頑張っておられる皆さんに、温かい手作りの調理をお出しすることが何よりも大事です」と話します。この日は神奈川県から来た高校生がボランティアとして作業を手伝ってくれました。

 

お盆代わりのダンボール箱で家族の人数分の食事を受け取る皆さん

 

避難所の食事はどうしても単調で栄養が偏りがちです。不自由な避難生活にあって、せめて食事の時だけでも、皆さんが笑顔になれるホッとした時間を提供できるように工夫を重ねており、地元の郷土料理「とり野菜みそ」をはじめ、生姜焼き、かつ丼、牛丼、野菜カレーなど多彩なメニューをお届けして評判も上々です。

 

炊き出しを受け取った男性(60代)は「本当に助かっています。やっぱり作りたてはおいしいですね」と笑顔を見せてくれました。新鮮な野菜を使った野菜カレーをお出しした時は、性別・年齢を問わず、「まさか避難所でこんなものを食べられるとは思わなかった」という声が上がったそうです。

 

炊き出しは、東本願寺ボランティアチーム、NPO法人BOND&JUSTICEと風組関東(いずれも東京都)など他団体と連携して実施。静岡県浜松市のマブチ農園とFARM KTTから新鮮な野菜と果物、ザファーム(千葉県)からお米、NPO法人セカンドハーベストジャパン(東京都)から使い捨て容器や食品をご提供いただくなど、多くの企業・団体にご協力いただいています。

 

また、今月からは輪島市内のフレンチレストラン『ラトリエ ドゥ ノト』のシェフ池端隼也さんら有志グループによる炊き出しを資金面でサポートし、近隣の在宅避難者や避難所に身を寄せる方々に毎日約1,500~1,600食を提供しています。

 

AARの能登半島地震被災地支援へのご協力を重ねてお願い申し上げます。

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