【コラム】アスイク 現場のエピソード

このような活動をしていると素敵なエピソードが多く語られがちですが、つらくて悲しいエピソード、悔しいエピソードもたくさんあります。

我々が運営している居場所で利用者同士のケンカが起こりました。
良かれと思ってアドバイスをしているAくんと、自分のやり方を貫きたいBくん。

これまでもお互いの振る舞いに納得がいかないことが多く、積もりに積もった不満が大爆発。涙を流しながら、過去に相手の言動で嫌な思いをしていたことや、傷ついていたことをお互いにぶつけ合い、そのうち、相手に対してこの居場所に今後来てほしくない、会いたくない、という話になってきました。

そのやりとりの中でハッとさせられた言葉があります。

「俺は学校で嫌なことされて本当につらくて、行けなくなって、やっとここ見つけて、やっと自分で居られる場所になってきたんだよ!!!」

「俺だって学校でマジでありえないようなことされて、つらい思いばっかしてきたんだよ!!わかんねーだろこのつらさ!!」

ケンカ中の言葉ではありましたが、偶然にも二人ともアスイクに通うようになったきっかけが同じようなものであったことが分かりました。

アスイクに来られなくなるのは嫌だ、やっと見つけた居場所を手放したくないという気持ちがお互いから感じられ、改めてこの居場所の存在意義を認識できた出来事でした。

ケンカの結末はきれいなものではなく、お互い悔しさが残るものとなりましたが、数日後には他の利用者を交えながら会話ができるくらい関係が修復できていましたし、今では互いに名前を呼びながら笑い合う仲です。

私たちとの出会いで、自分らしく居られる場所が見つかったという子が少しでも増えるようにこれからも活動を続けていきたいです。

NPO法人アスイク スタッフ 岡﨑愛