本日10月10日は、日本では「銭湯の日」とされています。
今回は、ミャンマーでの入浴事情と、地震によって生じた変化について、現地の状況をお伝えします。
地震前の入浴事情
もともとミャンマーの農村地域では川、湖、運河などの自然の水場を使って入浴することが、長い歴史と文化に根差した慣習となっています。また、手動式ポンプを使って水をくみ上げ、屋外や簡易的な屋内のスペースで入浴することも一般的です。一般家庭では、大きな水がめやタンク、井戸に水を貯めることで日常的に水を利用できるようにしています。


(手動手押しポンプや運河の水を使って入浴する人々@シンガイ。撮影:Kan Gyi May)
地震後の入浴事情
しかし、ミャンマーを襲った大地震は、重要なインフラを破壊し、入浴環境にも深刻な影響を及ぼしました。
地震によって、井戸、排水管、トイレなどを含む水供給システムが破壊され、数百万人がきれいな水やトイレなどの適切な衛生設備を使えない状況に陥りました。地盤の変動により、手押しポンプは機能しなくなり、不衛生な水しかくみ上げられなくなりました。コミュニティーの人々は川や運河の水に頼らざるを得ず、その結果入浴場所が過密となり、プライバシーが確保できない状況となっています。
「私たちが手押しポンプを使えなくなってからは、運河の水が使える場所に行くか、壊れていない手動ポンプを探して使うしかないですが、そこにはたくさんの人が集中します」
現地で被災者支援をするボランティアの声から、今も被災者が直面する深刻な入浴環境が見えてきます。
NICCOではこうした地震の影響を受けた人々に対し、必要な支援物資を提供できるよう調査を進めています。