外国人労働者オンライン相談事業 定期報告 2026年4月〜5月
2026年4月 18件(ベトナム語14件、インドネシア語2件、フィリピン語1件、クメール語1件)
2026年5月 29件(ベトナム語23件、インドネシア語2件、フィリピン語1件、日本語3件)
★ 2ヶ月の合計 47件
★ 相談者の国籍:ベトナム39、インドネシア4、フィリピン2、カンボジア1、ネパール1
★ 相談者の性別:女性21、男性26
★ 相談者の住所地:関西16、関東8、中部7など
★ 相談者の在留資格:技能実習20、特定技能8、技術・人文知識・国際業務7など
★ 相談内容:労働29、在留資格19など
【相談事例から】
» 技能実習(電子部品製造)の2年目になったばかりだが、日本語がうまくない、仕事ができないと言われて解雇された。ミスをしたこともあるが、そもそも会社はていねいに教えてくれない。この解雇は不当なので撤回してほしい。
⇒ 相談者は地元の労働組合に加入、労働組合と会社の団体交渉の結果、相談者が解雇を受け入れ、会社は若干の補償金を払うことで合意した。
本件以外にも、技能実習2年目で日本語と仕事の能力が低いことを理由に退職を強要された事例が数件あり、いずれも労働組合に相談した。労組からの申し入れで退職の話がなくなった事例もある。
これらの事例に共通しているのは、会社側は相談者の日本語が上達していないことを強調し、また1年間はようすを見てきたが、本人のやる気や改善が見られないので2年目で退職を求めたと主張していることである。その一方で、相談者は共通して、作業のやり方などをわかりやすくていねいに説明していないと訴えている。
2027年4月から、技能実習制度は育成就労制度に変わる。新しい制度では、日本語能力試験N4合格が3年間の達成目標とされるとともに、会社も目標達成のために日本語学習の機会を提供する義務を負う。これまでの技能実習制度でも、日本語能力の目標設定はないものの、技能の習得のために会社は実習生に対して適切な指導を行わねばならないとされている。
しかし技能実習の現場では、この事例に見られるように、日本語能力の低さを本人の努力不足のせいだとして解雇するという事案が少なくない。日本語能力をめぐって、今後は育成就労で同様の問題が起きないか、注視していく必要がある。
» 型枠施工の技能実習生、1年目。社長と社長の息子から日常的に暴力を受けている。最近も、就労中にハンマーを投げつけられ打撲傷を負ったので、警察に行って被害届を出した。病院で診断書ももらった。警察は、相談者の安全を守るために、相談者が会社の寮を出ないと捜査を始められないと言っているが、行くところがない。
⇒ ほかのNGOの協力をえて宿泊先を確保した。同時に相談者は労働組合に加入し、労組が会社と監理団体に申し入れを行った。相談者は転籍を希望しているため、警察による捜査の経緯を見ながら、会社・監理団体と補償問題や転籍をめぐって交渉していく予定である。
» 飲食料品製造業の特定技能1号。転職し在留資格変更申請が許可されたので、今の会社で働き始めた。就労を始めてしばらくしてから、在留資格の手続き前に結んだ雇用契約書とは異なる契約書にサインするよう迫られた。新しい契約書は正社員からパート社員になっていて、賞与も有りから無しになっている。
⇒ 会社側の要求は労働条件の不利益変更であり、本人の同意なしの不利益変更は労働法違反であることを、相談者に伝えた。相談者は会社に対し、もしも新しい雇用契約で在留資格変更を申請していたら、入管庁の許可は下りなかったのではないかと追及し、会社は雇用契約の変更を断念した。
» 在留資格「技術・人文知識・国際業務」で、2029年まで3年の在留期間がある。派遣会社経由で働いているが、専門職ではない仕事をさせられている。派遣会社はパスポート、在留カードも取り上げている。派遣先は人間関係も悪くなく仕事も問題ないが、今後のことを考えるとこのままではよくないと思っている。
⇒ 派遣会社で雇用されている「技術・人文知識・国際業務」の労働者が、専門外の仕事をさせられている典型的な事例。いまだにパスポート、在留カードを取り上げているとは、かなり悪質な派遣会社と思われる。現在、入管庁は、とくに派遣会社で働く「技術・人文知識・国際業務」の労働者の労働実態を調査している。一日も早く、専門の仕事ができる会社を探して転職することを勧めた。