外国人労働者オンライン相談事業 定期報告 2026年2月〜3月
2026年2月 13件(ベトナム語9件、インドネシア語2件、フィリピン語1件、英語1件)
2026年3月 14件(ベトナム語9件、インドネシア語2件、フィリピン語1件、クメール語1件、英語1件)
★ 2ヶ月の合計 27件
★ 相談者の国籍:ベトナム18、インドネシア4、フィリピン2、カンボジア1、ネパール1、不明1
★ 相談者の性別:女性16、男性11
★ 相談者の住所地:関西10、中部7、関東5など
★ 相談者の在留資格:技能実習8、特定技能9、技術・人文知識・国際業務7など
★ 相談内容:労働19、在留資格10など
【相談事例から】
» 特定技能1号で在留、就労している労働者。1年5ヶ月働いた会社を退職後、最後の給料から住まいの退去費用として7万円あまりを控除された。鍵の交換代、部屋のクリーニング代が入っているが、会社が借りている一軒家の2つの部屋に2人ずつ4人で住んでいた。鍵は玄関だけにあり、誰かが退去したからといって鍵を交換することはなく、クリーニングもされるわけではない。不当な控除ではないか。同じ会社で働いていた人が労基署に申告したことがあり、控除の労使協定はないこともわかっている。この会社では、職種違いの仕事にも行かされたことがあった。
⇒ 特定技能1号労働者が短期間で退職した場合、会社や登録支援機関から在留資格の手続費用などを請求され、最後の給料から控除されたという相談は多い。
この相談者の会社では就労期間の長短にかかわらず、5年以内に退職する労働者に対して住まいの退去費用を請求している。相談者の訴えにあるように、会社は実際には発生していない費用を請求しており、労使協定があったとしても、給与から控除できるのは「事理明白なもの」に限るという労基法24条(賃金全額払いの規定)の原則に反している。
しかしながら、いったん控除された費用を取り戻すことは簡単ではない。労基署から是正指導を受けても返却を拒む会社がほとんどである。
このような退職時の控除の問題に対してどう解決に結びつけるか、他の支援団体とともに検討していく必要がある。
» 農業の技能実習生。会社の日本人上司と同国人の先輩から暴力を受けて、その後すぐに交番に駆け込み、警察署で被害届が受理された。職場に戻ると危険なため、警察の指示でいまは友人宅に避難している。警察から、早めに病院に行って診断書をもらってきてほしいと言われた。精神的にも不安定なので、心療内科にもかかりたい。
⇒ 相談のあった翌日、RINKスタッフと通訳者が同行して整形外科を受診、診断書を書いてもらった。同日に心療内科も受診、「適応障害」で1ヶ月の休業が必要という診断書が出た。友人宅には長期間住めないため、他の支援団体の協力を得て、相談者は問題解決までシェアハウスに居住することになった。RINKはOTIT、警察署への同行も行った。
その後、監理団体から連絡があり、相談者は今回の経緯を説明、会社が2ヶ月間の休業を認め、休業手当を支払うという報告も受けた。相談者はこれまで上司、先輩からパワハラを受け続けてきた。相談者は現在シェアハウスで心身を休めながら、今後は職場復帰するか、転籍するかを決める予定である。
» 特定技能2号への移行に関する相談
①もうすぐ溶接の特定技能1号5年の期間が終わる。2号の技能評価試験には合格しなかった。会社は働き続けてほしいと言っている。日本に残りたいがどんな方法があるか知りたい。ドライバーで働けるという話も聞いているが。
⇒ 工業製品製造業分野での特定技能2号取得には、職種によって、ビジネス・キャリア検定試験3級と特定技能2号評価試験の合格が求められる評価試験ルートと、技能検定試験1級(学科および実技)の合格が求められる技能検定試験ルートがある。相談者の職種は評価試験ルートである。
いずれのルートでも、合格できなくても、2号評価試験の合格点の80%以上の成績、かつビジネス・キャリア検定試験3級に合格か80%以上の成績があって、会社が協力してくれれば、2号評価試験、ビジネス・キャリア検定試験に合格することを目的に、もう1年間特定活動で残ることができる。
自動車運送業も特定技能の業種に入っているが、すでに別の業種で1号を終えている場合は、ドライバーの特定技能になることはできない。
今の会社に協力してもらって、2号の技能評価試験、ビジネス・キャリア検定試験合格を目指すしかない。
②技能実習3年を修了、その後特定活動期間を経て、現在特定技能1号(建設分野・鉄筋工)として5年が経とうとしている。特定技能2号評価試験は合格しているが、一度職種を変更しているために、鉄筋工に求められる班長・職長としての実務経験3年を満たすことができない。次の在留期間更新時に2号に移行したいが、どうすればよいか。
⇒ 建設分野は特定技能開始当初から2号移行が予定されており、実務経験の条件なしに2号技能評価試験を受験することができる。建設と造船・舶用工業以外の産業分野では、2年以上の班長・職長としての実務経験の証明がないと、2号評価試験自体受験できない。
ただし建設分野でも、2号に移行するためには試験に合格しているだけではだめで、職種ごとに決められている実務経験の条件を満たさねばならない。多くの職種が1年だが、鉄筋工は3年となっている。
★特定技能制度開始から8年目になり、2号移行に関する相談も徐々に入ってくるようになっている。
①の事例では、会社も相談者が試験に合格するよう、練習問題で漢字にルビ打ちをしたりしてサポートしてくれたが、実際の試験ではルビ打ちのない漢字が難しく合格しなかったそうだ。
また②の事例のように、転職の関係で実務経験の証明が難しいと言う相談者は少なくない。
出入国在留管理庁の統計資料によると、2019年と2020年に特定技能1号を許可された人で、2026年1月23日時点特定技能2号に移行しているのは、2019年が全体の11.4%、2020年は14.3%となっている。