外国人労働者オンライン相談事業 定期報告 2025年12月,2026年1月
2025年12月 21件(ベトナム語12件、インドネシア語1件、クメール語8件)
2026年1月 12件(ベトナム語9件、インドネシア語2件、フィリピン語1件)
★ 2ヶ月の合計 33件
★ 相談者の国籍:ベトナム21、インドネシア3、フィリピン1、カンボジア8
★ 相談者の性別:女性15、男性18
★ 相談者の住所地:関西13、関東9、中部5など
★ 相談者の在留資格:技能実習17、特定技能9、技術・人文知識・国際業務4など
★ 相談内容:労働26、在留資格7など
【相談事例から】
» 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働いている。直接雇用で専門的な仕事をしているが、その仕事が減ったため会社から他の工場に転勤するよう業務命令がでた。転勤先の工場での仕事は非熟練労働(会社は技術職だと説明しているが実際にはそうではない)なので、入管法上問題にならないか心配である。永住申請を考えており、今退職すると年収が減って申請を遅らせねばならなくなる。転勤に応じるか、退職するかで悩んでいる。
⇒ 技術職の労働者からは、業務内容が在留資格「技術・人文知識・国際業務」に見合っているかどうか心配する相談もよく寄せられる。この事例のように会社から業務命令がでれば、社員として応じざるをえない。転勤後もし入管局が実態を知ることになり、資格外の就労をしていたと判断されれば、最悪の場合相談者の在留資格が取り消される可能性もある。相談者には、自分の懸念を会社に伝え、専門職に従事させてほしいと要望してはどうかとアドバイスしたが、会社が応じるかどうかはわからない。
現在入管庁は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格者について、実際に専門的な仕事をしているかどうか、厳しくチェックする方針を出している。入管庁は、労働の現場ではこの相談事例のような現実があることを理解し、安易に在留資格を取り消すのではなく、労働者の立場に配慮した運用を行ってもらいたい。
» 来日2年目の技能実習生。最近監理団体に「特定技能に移行できるか」と相談をしたところ、その話が会社に伝わり、もともと会社から疎まれていたのがよけいにひどくなった。仕事をきちんと教えてもらえず、最近は周辺作業ばかりさせられている。
⇒ 相談者は地元の労働組合に加入し、労働組合が会社と団体交渉を行った。会社は、相談者の日本語の上達が遅く指導しにくいという理由で、技能実習計画通りの作業をさせていなかったことを認めた。話し合いの結果、最終的に会社は、相談者がこの会社で実習を続けたいという希望を受け止め、今後はお互いに誤解がないよう仕事をしていこうと双方で確認することができた。
規模の小さい会社でもあり、日本語での意思疎通に問題が生じていたと思われる。監理団体はもっと言語面でのサポート(工程表を翻訳するなど)をするべきである。
» 最近会社が倒産した技能実習生。現在、監理団体の寮に住み、転籍先が見つかるのを待っている。今後どうなるのか、何か補償があるのかを知りたい。来日1年目で雇用保険の加入期間は5ヶ月しかなく、失業手当は受給できないと聞いている。最後の賃金がまだ支払われていない。
⇒ 最後の賃金が支払われない場合は、厚生労働省の「立替払い」制度が利用できる。技能実習法の決まりで、転籍先が見つかり実習を再開できるまでの生活については、監理団体が面倒をみなければならないことになっている。会社の倒産による技能実習の中断なので、入管局に申請すれば資格外活動許可が認められる可能性がある。新しい実習先が見つからなかった場合、本人が希望し雇用する会社があれば、特定技能1号への移行を前提とした在留資格「特定活動」への変更が許可される可能性があることなどを伝えた。監理団体に連絡を取り、必要なサポートをしてくれるよう要求すること、動いてくれない時は外国人技能実習機構(OTIT)に相談するようアドバイスした。
倒産した会社には技能実習生が8人おり、監理団体がすぐに全員の転籍先を見つけるのは簡単ではないと思われる。相談の内容からは、監理団体がきちんと説明をしていないこともうかがわれた。一度に何人もの実習生が失業する倒産の事例では、OTITがもっと積極的、主動的に転籍先探しに動くべきである。
» 特定技能1号の労働者からは、以下のような訴えがあった。
・転職にあたり登録支援機関に紹介料40万円を支払わされた。
・給与明細がなく賃金は現金で渡されるが、控除の金額などが不透明である。
・退職を申し出たら「長く働いてもらえると思っていた、いま辞めるなら50万円支払え」と言われた。
⇒ いずれもこれらの問題を解決したいという相談ではなかったが、特定技能労働者の働く現場では、このような労働法違反が当たり前になってしまっている現状がある。