外国人労働者オンライン相談事業 定期報告 2025年4月,5月

オンライン相談(2025年4月~2025年5月)の報告

 

○ これから2か月にいちど、活動状況を報告します。ご意見、感想もお待ちしています。

 

2025年4月  17件(ベトナム語16件、インドネシア語1件)

2025年5月  17件(ベトナム語10件、インドネシア語1件、フィリピン語2件、クメール語2件、英語1件、日本語1件)

★ 2ヶ月の合計 34件

★ 相談者の国籍:ベトナム26、インドネシア2、フィリピン2、カンボジア3、不明1

★ 相談者の性別:女性12、男性21、不明1

★ 相談者の住所地:関西15、関東5、中部4など

★ 相談者の在留資格:技能実習9、特定技能10、技術・人文知識・国際業務8など

★ 相談内容:労働22、在留資格11など

 

【相談事例から】

 

» 特定技能1号で働いていた会社を辞めさせられた。退職届にサインするように言われたが、サインしなかったため失踪したことになると言われた。今は会社を離れて就職活動を行っている。会社の言うことは正しいのか。

⇒特定技能労働者を解雇するときは、受け入れ会社は予告した時点で入管局に届出をし、経緯に関する説明書を提出する必要がある。会社の事情による退職が多いと、受け入れに問題があると判断される可能性もあるので、解雇であっても会社はできるだけ労働者の自己退職にしようとする。そのためにこの事例のように嘘までついて退職届にサインさせようとする。

 

» 特定技能1号。工場で左手親指の先の骨が割れるけがをした。病院に付き添った会社の担当者は、医師に労災保険は使わないと伝え、相談者に対し後輩に仕事を教えるだけでいいので、休まずに出勤するようにと言った。しかし、医師からは安静にするよう指示があったので、相談者はそれ以降仕事には行っていない。相談者は休業補償の手続きをしてほしいと会社に要求したが、はっきりした返事がなく、医師にはまず会社から労災保険を使うという連絡がほしいと言われてしまった。登録支援機関の通訳者から、相談者が病院に行ったときに社長に電話すれば、社長が医師に労災保険を使うことを伝えるという連絡がきたが、社長を信じられない。

⇒最終的に会社は休業補償の手続きを行った。相談者は社長とLINEで日本語のメッセージのやり取りをしていたが、それを確認すると、通訳者が双方の話を正確に通訳していないと思われる点が多々あった。そのために双方に不信感が生まれたのかもしれない。

 

» 技能実習生。肉をラップで包装する仕事をしていて、左手の小指と薬指の骨を折るけがをした。会社に対して補償を求めることができるか。ラップの引き出しに異常があり直そうとして機械に手をはさんでしまった。休業補償はもらっているが、金額が少ない気がしている。

⇒相談者の会社では技能実習生が500人以上働いているが、労務管理をすべて監理団体に任せていて、労災保険の手続きをよく知らない通訳者が手続きのサポートを行っている。休業補償が少なかったのは、2か所の病院で休業の証明を取る必要があったのに、1か所でしか取っていなかったからだった。相談者は労働組合に加入し、今後は会社と直接話し合いながら、必要な手続きをしていくことになった。

 

» 技能実習生。労災で治療中だったが、症状固定ということで医師の診断書が届く予定である。その後労災の障害補償を請求したいので手続きを教えてほしい。休業補償はされているが、監理団体の通訳者が障害補償の手続きは自分でするものだと言っているので、心配している。技能実習満期の在留期限が迫っており帰国する予定なので、手続きが間に合うかどうかも問題である。

⇒RINKの相談員が障害補償給付支給申請書の記入などをサポートし、労働基準監督署に提出後、担当の監督官と連絡をとって、労基署による障害に関する聞き取りを早めに行うよう要請した。相談者の帰国前にすべての手続きが終わるように支援を行っている。労災の障害補償請求については、この事例のように会社、監理団体が支援をしないことが多いようだ。

 

» 来日10ヶ月の技能実習生。先輩の実習生との人間関係のトラブルで、自分だけが会社の部長から始末書を書けと言われている。先輩の悪口を言ったという事実無根のことや、寮に男性を連れてきたことなどが書かれている。今後ウソをついたことがわかったり、規則を守らなかったりしたら、帰国に同意するとも書かれている。この書類へのサインは拒否したが、部長はサインしないと在留期間更新をしないとも言った。自分はサインしたくないし、この会社でも働きたくない。監理団体には相談したが、実習生は会社が倒産したりしないかぎり転籍できないと言われた。どうすればいいか。もし自分で新たに雇用してくれる会社を見つけたら転職できるか。

⇒「実習生は会社が倒産したりしない限り転籍できない」という監理団体の話は事実ではない。相談者は技能実習の基礎級試験には合格しているとのことなので、今の会社が更新手続きを拒んでも、相談者が技能実習を継続する意思がある限り、監理団体には新しい会社を探す責任がある。技能実習生の転籍先は監理団体が探すのが基本だが、自分で見つけた場合で、監理団体同士、送り出し機関の合意によって転籍が実現した事例もある。

 

» 外食産業の特定技能1号。労働条件も不明であり、来月からは同じ会社で昼間は廃棄物処理の仕事をして、夜は飲食店で働くことになっている。こんな会社なので転職をしたいが、3ヶ月は働かないと転職はできないという。登録支援機関も会社に迎合して、問題を解決しようとしない。

⇒「3ヶ月は働かないと転職はできない」という話はウソ。昼に廃棄物処理という別の仕事をするのは法令違反。会社も登録支援機関も入管法上の規定を守る意識がまったくない。このような会社は早く辞めた方がよい。

 

» 相談者は技術・人文知識・国際業務で働いている。妻は5ヵ月後にベトナムで出産する予定で、あと3か月くらいで帰国する。妻の在留資格は家族滞在だが、出産前後で在留期限が切れる。相談者の在留期限もほぼ同時期である。入管局に相談したら、事情があれば在留期限の3ヶ月より前に申請を受け付けると言われた。しかし、相談者の雇用契約が更新されるかが微妙なので、妻の帰国前に更新手続きはできないかもしれない。妻は相談者の健康保険の被扶養者になっているが、会社に確認したところ、帰国後在留資格がなくなれば住民票が削除され、健康保険の被扶養者からもはずされるため、出産育児一時金は受け取れないと言われた。

⇒健康保険の被扶養者には日本国内居住要件があるが、例外として日本に生活の基礎がある一時的な海外渡航者であれば、住民票がなくても被扶養者として認められるとされている。このケースはこの例外規定に当てはまるのではと思い、厚労省の保険局保険課に問い合わせを行ったが、明確な回答はなく、各健康保険組合が判断することなので、そこに聞いてほしいと言われた。相談者は会社との関係が悪くなることを恐れ、RINKが健康保険組合に連絡することを望まなかったため、この問題をそれ以上追及することはできなかった。