ヤンゴンから被災地に支援物資を輸送

ミャンマー中部で3月28日に発生した大地震では、これまでに3,600人を超える死者と約5,000人の負傷者が報告されています。被災地のマンダレー、ザガイン地域では、地震から2週間を過ぎた現在も多くの被災者が屋外で厳しい避難生活を送っており、その半数近くがまだ何の支援も受けていないとの報告もあります。AAR Japan[難民を助ける会]は現地協力団体と連携し、現地のニーズに合わせた緊急支援物資を調達・輸送しています。

 

緊急支援物資を積んで被災地に向かうAARの現地協力団体のトラック=ミャンマー・ヤンゴンで2025年4月12日

同国第2の都市マンダレー界隈では、少しずつ商店や市場が再開していますが、被災地では大量の物資調達は難しく、AARと現地協力団体は最大都市ヤンゴンの数カ所の市場をまわりながら支援物資を集めました。一方で、ミャンマーでは4月12日から水かけ祭りの祝日が始まって流通が約1週間滞るため、4月9日~11日にかけて急ぎ物資を調達し、被災地までの搬送と配付を実施しています。

 

被災地で配付する蚊帳やマットを調達する現地協力団体職員=ヤンゴンで4月11日

被災地では、6月に始まる雨季を前に屋外に避難している人々のためのシェルター(テント)の設置が急がれます。緑地公園や空き地などの避難場所では衛生環境の悪化による下痢や皮膚病、蚊を媒介にしたデング熱などの感染症 の蔓延が懸念されており、AARはシェルターを含む雨季対策について、関連機関などとの調整を急ぐとともに、 食料や生活必需品のパッケージ、衛生対策として地面に敷くマット、蚊帳、タオル、石鹸、歯磨き用品、女性用の衛生用品、太陽光ランプなどの配付を急いでいます。

被災地の状況は刻々と変化するほか、市街地と村落では被害や支援の状況が異なります。AARが東京から派遣した支援チームは、2つの現地事務所(ヤンゴン・パアン)や現地協力団体とともに、被災地のより詳細な状況の把握と被災者のニーズを調査し、さらなる支援に向けた調整を進めています。現地協力団体を通じた物資配付に加え、被災者がそれぞれ必要なものを買えるように現金給付も実施します。

ヤンゴンからマンダレーに向かう幹線道路。至るところが損壊して交通渋滞が発生している=ミャンマー南部で4月12日
ヤンゴンからマンダレーに向かう幹線道路。至るところが損壊して交通渋滞が発生している=ミャンマー南部で4月12日

ミャンマーでは水かけ祭りは最も重要な祭りのひとつで、1週間ほどの休暇をとるのが通例ですが、今回の地震被害を前に多くの人々が自分のできることに献身的に取り組んでいます。被災地に向かったAARの現地職員は「被災地では今も多くの人々が非常に苦しい状況にあります。特に障がい者や妊婦、高齢者などの災害時により困難な状況に置かれがちな人たちも漏れることなく支援しなくてはなりません。水かけ祭りのことなど忘れていました」と話します。

AARはこの困難に立ち向かうミャンマーの人々とともに支援活動に取り組んでいます。AARのミャンマー地震緊急支援へのご協力をよろしくお願い申し上げます。

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