広がる混乱 パンの価格が9倍に

食料価格が高騰したシリア国内で人道支援団体からパンを受け取る人々(シリア 2024年12月)

13年間続いた内戦がアサド政権崩壊によって終結したシリアでは、圧政から解放された喜びの声が聞かれる一方、食料価格が高騰するなど混乱も広がっています。AAR Japanは2014年から同国内で支援活動に取り組んできた経験を生かし、現地協力団体と連携して緊急支援の準備を急いでいます。

 

内戦終結の一方で、現地では食料価格の高騰など混乱が生じています。北西部イドリブ県とアレッポ県では、主食であるパンの価格が11月27日から12月9日までに実に9倍に値上がりしたと伝えられるなど、市民の暮らしを著しく圧迫しています。

 

今後、国外からシリア国内に戻る人々が増えるとともに、そのような混乱が拡大する可能性もあります。今のところはトルコやレバノン、ヨルダンなど国外からの帰還民は少数にとどまっており、混乱も起きていませんが、UNHCRは、現在近隣国に避難している600万人のうち、来年1月から6月の間に100万人が帰還すると予想しています 。

 

「世界最大級の人道危機」と言われたシリア内戦は終結したものの、人々の困難はこれからも続きます。AARは国内避難民と帰還民への支援の準備を現地団体とともに進めています。シリア緊急支援へのご協力をよろしくお願い申し上げます。