ガザ人道危機:国連によるジェノサイド認定をうけ、CAREを含む主要援助団体の代表らが各国首脳に介入を要請しました

 

 

国連委員会が初めて「ガザでジェノサイド(集団虐殺)が行われている」と結論付けたこと(注:2025年9月16日)を受け、ガザで活動する20を超える主要援助団体の代表らが、世界各国首脳に緊急介入を要請しました。声明は以下の通りです。(2025年9月17日発表)

 

 

 

 

 

来週国連で世界の指導者が集まるにあたり(注:第80回国連総会。9月22日~26日)、我々は全ての加盟国に対し、80年前に国連が委任された使命に沿って行動するよう求めます。

 

ガザで我々が目撃しているのは、前例のない人道的惨事であるだけではなく、国連調査委員会が今やジェノサイドと結論付けた事態です。

 

この結論により、委員会は世界的に、そしてイスラエル国内でも増え続ける人権団体や指導者たちの見解に同調したということです。

 

ガザの状況の非人道性は許しがたいものです。人道支援のリーダーとして、私たちはガザの人々の恐ろしい死と苦しみを直接目撃してきました。私たちの警告は無視され、今も何千もの命が危険にさらされています。

 

今、イスラエル政府に約100万人が暮らすガザ市からの大規模な住民移動を命じられたことで、行動がとられなければガザの歴史においてさらに悲惨な時期を迎える瀬戸際に立たされています。ガザは意図的に居住不可能な状態に追い込まれたのであります。

 

約6万5千人のパレスチナ人が死亡し、そのうち2万人以上が子どもたちです。さらに数千人が行方不明となり、かつて活気にあふれていたガザの街路は瓦礫の下に埋もれています。ガザの210万人の人口のうち10人に9人が強制的に避難させられ——その大半は複数回にわたり——人間の生活を維持できないほど縮小し続ける土地の断片へと追いやられています。

 

50万人以上が飢餓状態にあります。飢饉が宣言され、拡大を続けています。飢餓と身体的剥奪の累積的影響により、人々は日々命を落としています。

 

ガザ全域で、病院や浄水場といった生命維持に不可欠な公共インフラとともに、都市全体が完全に破壊されました。農地は組織的に破壊されています。

 

事実と数字だけでは不十分ならば、胸が張り裂けるような悲惨な実例が次々と存在します。

 

イスラエル軍が6か月前に包囲を強化し、食料・燃料・医薬品の供給を遮断して以来、飢饉が蔓延する中で子どもや家族が餓死していく姿を私たちは目撃してきました。私たちの同僚もまた影響を受けています。

 

私たちの多くはガザ地区に入ったことがあります。イスラエルの爆撃で手足を失った無数のパレスチナ人に会いました。毎日の空爆で深いトラウマを負い、眠れなくなった子どもたちに直接会いました。言葉を失った子もいれば、「天国で両親に会いたいから死にたい」と語る子もいました。

 

生き延びるために動物の餌を食べ、子どもの食事として葉っぱを煮て食べる家族にも出会いました。

 

それでも、世界の指導者たちは行動を起こしません。事実は無視され、証言は退けられます。その結果として、さらに多くの人々が命を落としています。

 

私たちの組織は、パレスチナの市民社会団体、国連、イスラエルの人権団体と協力し、できる限りのことを行ってきました。ガザの人々の権利を守り、人道支援を継続するためにたゆまぬ努力を重ねてきましたが、その道のりはあらゆる段階で妨害されています。

 

私たちはアクセスを拒否され、援助システムの軍事化は致命的な結果をもたらしています。武装警備下で食料が配布されるわずかな場所へ到達しようとする数千人が銃撃を受けています。

 

各国政府はガザ地区における生命の破壊を阻止し、暴力と占領を終わらせるために行動すべきです。全ての当事者は民間人への暴力を否定し、国際人道法を守り、平和を追求しなければなりません。

 

各国は利用可能なあらゆる政治的・経済的・法的手段を用いて介入すべきです。空虚な言葉や中途半端な措置では不十分です。今こそ断固たる行動が求められています。

 

国連は国際法を世界平和と安全の礎として確立しました。加盟国がこれらの法的義務を任意のものとして扱い続けるなら、それは共犯であるだけではなく、将来に向けた危険な前例を創出するものです。歴史は間違いなくこの瞬間を人類の試練として裁くでしょう。そして我々は失敗しています。ガザの人々を裏切り、人質を裏切り、我々が共有する道徳的責務すら果たせていないのです。

 

※注:飢餓宣言は8月22日に出されている。 https://news.un.org/en/story/2025/08/1165702

 

 

署名者(アルファベット順)

 

1.Arthur Larok, Secretary General of ActionAid International

2. Othman Moqbel, Chief Executive Officer, Action For Humanity

3. Joyce Ajlouny, General Secretary of American Friends Service Committee

4. Sean Carroll, President and CEO of Anera

5. Reintje Van Haeringen, Executive Director CARE International

6. Jonas Nøddekær, Secretary General of DanChurchAid

7. Charlotte Slente, Secretary General of the Danish Refugee Council

8. Manuel Patrouillard, Managing Director, Humanity & Inclusion - Handicap International

9. Jamie Munn, Executive Director, International Council of Voluntary Agencies (ICVA)

10. Waseem Ahmad, CEO, Islamic Relief Worldwide

11. Joseph Belliveau, Executive Director of MedGlobal

12. Joel Weiler, Executive Director of Médecins du Monde France

13. Nicolás Dotta, Executive Director of Médecins du Monde Spain

14. Christopher Lockyear, Secretary General of Médecins Sans Frontières International

15. Kenneth Kim, Executive Director, Mennonite Central Committee Canada

16. Ann Graber Hershberger, Executive Director, Mennonite Central Committee US

17. Jan Egeland, Secretary General of the Norwegian Refugee Council

18. Amitabh Behar, Oxfam International Executive Director

19. Simon Panek, CEO, People in Need

20. Inger Ashing, CEO of Save the Children International

21. Donatella Vergara, President of Terre des Hommes Italy

22. Rob Williams, CEO of War Child Alliance