「一刻も早く安全な場所に戻りたい」:トルコ地震緊急支援

トルコ南東部で2月6日に起きた大地震から1カ月以上が経ち、同国内では今も190万人がテントや仮説コンテナなどでの避難生活を余儀なくされています。AAR Japan[難民を助ける会]は発生直後から緊急支援を実施し、食料や衛生用品などの配付を続けています。被災者の今の様子をAAR緊急支援チームが報告します。

 

(被災したシリア難民の大家族の子どもたち=トルコ南東部カフラマンマラシュ県)

 

 

AARは今月に入って、カフラマンマラシュ県の農村部の被災世帯に食料詰め合わせや衛生用品セットを配付しています。「49人の大家族が4張のテントで生活している」という隣国シリア出身の男性は、「シリア内戦を逃れ、6年前からトルコで暮らしていましたが、地震で家と家財、仕事までいっぺんに失いました。大勢の孫たちを抱えて、すぐには仕事を見つけられず、生活をどう立て直せばいいか見当もつきません」と途方に暮れた表情で話します。

(テントで暮らす被災者に支援物資を届けるAAR職員)

 

夫と幼い子ども2人の家族4人で避難生活を送るビルギュルさんは、「地震が始まった時、私たちは4人とも家の中にいました。居間で身を寄せ合って、揺れが収まるよう泣きながら祈りました。せめて子どもたちは無事であってほしいと、私と夫はこの子たちに覆いかぶさって守りました」。

 

「とうとう家が崩れ始め、私たちは外に逃げようとしましたが間に合いませんでした。そこに私の兄が助けに来て、ロープを使って私たち4人を救出してくれたんです」。ビルギュルさんは目に涙を浮かべながら話を続けます。「家族4人が軽症で済んだのは不幸中の幸いでした。しかし、幼い子どもにとってはあまりに恐ろしい出来事だったので、子どもたちは心に大きな傷を負っています」。

(被災地でテント生活を続ける子どもたち)

 

食料や水、衛生用品、下着など何もかも足りない中、ビルギュルさんはこう訴えました。「私が今一番望んでいるのは、一刻も早く安全な場所に移ること。そして子どもたちが勉強したり、思い切り遊んだりできる環境を取り戻してあげることです」。

 

震災発生では今も多くの人々が支援を待っています。AAR Japanのトルコ地震緊急支援へのご協力を引き続きお願い申し上げます。
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