寒さの中で身を寄せ合う被災家族:トルコ地震緊急支援

トルコ南東部で6日に起きた大地震は、発生から1週間を経て、隣接するシリアと合わせて両国で3万3,000人以上の死者が確認され、なお懸命の救助活動が続けられています。
AAR Japan[難民を助ける会]は7日以降、現地で毛布や食料など緊急支援物資の配付を行っていますが、厳しい寒さの中、被災者の疲労は限界に達しています。AARトルコ事務所代表のハリル・オスマンが現場から報告します。

 

不自由なテントの避難生活

大きな被害を受けたトルコ南東部シャンルウルファ県。県都シャンルウルファ市内の広場には、被災者のために仮設されたテントが並び、幼い子どもを含む約500人が過ごしています。40代のアフメットさん・ガラーさん夫婦と4人の子どもたちも、ここに身を寄せています。

 

(テントで避難生活を送るアフメットさん・ガラーさん夫婦=トルコ南東部シャンルウルファ市内)

 

アパートの3階で暮らしていたアフメットさんは、「地震が起きたのはとても寒い日で、激しい揺れで目が覚めました。すぐに子どもたちを部屋の片隅に集め、身を寄せ合って、いつ天井が落ちてくるかと身構えるしかありませんでした。私たちは死ぬのを待っていたのです」と話します。

 

最初の揺れが収まった後、急いで子どもたちに服を着せ、近所の住民が集まっていた大きな店舗に避難しました。「家を失った人たち、泣きじゃくる子どもたちの姿を目の当たりにして、本当につらい気持ちでした。間もなく2度目の地震が起きて人々はパニック状態になり、私たちは冷たい雨の中、屋外の安全な場所を求めて走りました」。ガラーさんはこう付け加えます。「私たちはただ祈り続け、アッラー(神)の赦しと助けを求めるしかなかったのです」。

 

(シャンルウルファ市内に設けられた被災者向けテント)

 

一家はこの1週間、今にも壊れそうなテントで耐えています。ガラーさんは「薪ストーブが配られましたが、この寒さで暖房は充分ではありません。子どもたちのことが心配で、特に5歳の娘イレムはよく眠れず、テントが風で揺れるととても怖がります」。ガラーさんをはじめ女性たちに話を聞くと、生理用品・衛生用品、子ども用ミルクが特に入手できないということで、AARはこうした支援物資の調達を急いでいます。

(避難所に集められた子どもたち)

 

トラウマを抱える子どもたち

トルコ語教師のイブラヒムさんは7人の子どもの父親です。「地震が起きた直後、冷たい雨が降る空き地で3日間過ごしました。幸い自宅は倒れませんでしたが、多くの建物が倒壊しているのを目の当たりにして、家に入っても安全なのか不安だったからです」。臨時の避難所になった近隣の青少年センターに行ったものの、「人々が殺到してたいへんな混雑でした。長くはいられないと感じて、2日後に家に戻りました」。

 

「子どもたちはトラウマを抱えています。心理カウンセラーによるサポートなど、子どもたちが困難を克服する手助けが必要なのです」とイブラヒムさん。そして「このような時に私たちを助けに来てくれたNGOや援助機関にとても感謝しています。AARを通じて支援してくれている日本の皆さんにも、心からありがとうと伝えたいですね」と話しました。

(緊急支援物資を準備するAAR現地職員=トルコ南東部シャンルウルファ県)

 

被災地ではトルコ政府・地元自治体、NGO、援助機関が連携して緊急支援を展開していますが、被災者のニーズに対して支援が全く追い付いていません。多くの被災者が今、支援を待っています。AARのトルコ地震被災者支援へのご協力をよろしくお願い申し上げます。

 

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