こんにちは! アイキャンです。
今回は、児童養護施設「子どもの家」のスタッフからの報告をお届けします。
学校で良い成績をとった6名の子どものご褒美に、アイスクリームを食べに行ったときのことです。
店の外には、物乞いをしている男の子がいました。
アイスを買って外に出ると、ジョン君(仮名)だけアイスを持っていません。
「もう食べちゃったの?」と聞くと、物乞いをしていた子に、自分が口をつける前のアイスをあげたのだそうです。
学校から帰宅後も勉強に励む子どもたち
物乞いの子どもが他の人からもらえるのは、誰かが使った後のものや余りもの。
自分専用のもの、ましてや新品のものを手に入れる機会はまずありません。
自分も路上の子どもだったジョン君は「だから自分の新しいアイスを彼にあげたかった」と言いました。
そして、ジョン君の気持ちを知った他の5人の子どもたちは、自分たちのアイスをジョン君と上手に分け合って食べていました。
私は、他者を思いやる温かい心を持つ「子どもの家」の子どもたちを誇りに思います。
しかし、今はこんなに優しいジョン君でさえ、「子どもの家」に来てすぐの頃は人を恐れたり疑ったりする心が強かったのです。
暴力を振るわれることを警戒して夜眠ることができず「アイキャンが自分を助けてくれるからには何か見返りを求められるのだろう」と思っていました。
私はそんな彼に「見返りなんていらないよ。ただあなたが幸せになってくれたらそれでいい。そんな思いで一緒にいるんだよ」と伝え続けました。
安心した表情でぐっすり眠る子ども
路上で暮らしている子どもたちも、本来は温かく、優しい心を持った子どもたちであるはずです。
でも、日々極限の状態に置かれて嫌な言葉を浴びせられ続けると、子どもの心は壊れてしまいます。
私は、一人でも多くの子どもが安心・安全な環境で暮らせるようになることを願っています。