緊急ジェンダーレポート~戦争による女性とマイノリティへの影響

© 2022 Laura Noel/CARE
 
2か月以上に及ぶ戦争により、ウクライナから数百万人もの人々が家を追われ、難民となりました。今回、CAREはUN Women(国連女性機関)とともに、「緊急ジェンダーレポート」を公開

 

女性とマイノリティがこの戦争により、健康、安全、そして食糧へのアクセスにおいて甚大な困難に直面していることを明らかにしました。

 

2022年4月2日から6日までの期間に行われた、ウクライナの19地域の人々への調査とインタビューに基づくこの分析は、危機的状況におけるジェンダーの力関係にスポットライトを当て、政府、国際社会、その他の関係者が人道支援を行う際の配慮を促しています。

 

緊急ジェンダーレポートで提示された主な推奨事項は、次のとおりです。


これからもCAREは、国連機関などとも連携しながら、女性や女子など特に弱い立場に置かれた人々に焦点を当て、支援を強化していきます。引き続き、ご寄付によるご支援をお願いします。

 

 ■人道支援を確保することで、女性、男性、女児、男児、特にロマのコミュニティ、高齢者、障害者など、脆弱な状況にあるグループのニーズに対応する


 ■女性と若者も、対等な立場で様々な対応を主導し、意思決定に参加することを優先する


 ■活動資金の提供および国内および国際的なプラットフォームでの声を増幅することにより、女性主導での対応および女性の権利団体を支援する


 ■避難民の女性と男性に職業訓練と生計手段の選択肢を提供し、ジェンダーの役割の変化に留意し続ける


 ■包括的で差別のない避難所へのアクセスを可能にする。集合シェルターは、性別および家族別の宿泊施設を提供する必要がある 


 ■家族に介護や家事の再配分を促すことにより、女性の負担を軽減する


 ■特に占領地、戦闘が活発な地域、地方の地域で、最も脆弱で危険にさらされている女性に対して、現金支給による支援を行う


  ■ジェンダーに基づく暴力に対応するためのサービスの格差を埋める


 ■性的暴行の被害者の臨床ケアや避妊へのアクセスの確保など、性と生殖に関する健康と母体、新生児、および子どもたちの健康管理を優先事項にする

 

 

最後に、CAREインターナショナルの事務局長であるSofia Sprechmann Sineiroは述べています。


「ウクライナの人々から聞こえてくるのは、障がいのある人々、ロマやその他の少数民族、シングルマザー、同伴者のいない子どもなど、特定のグループがそれぞれ異なる形態の保護と支援を必要としているということです。常に状況は変化し続けているため、私たちの対応を効果的かつ適切に保つためには、それぞれのグループへの支援について全体で協議し、優先順位を付けていく必要があります」