「知識」を「行動」に

ロシアによるウクライナ侵攻から4年。ウクライナ南部のミコライウ州では、地雷・不発弾の危険に加え、ミサイルやドローン攻撃の脅威が、人々の日常を脅かしています。AARは2026年3月から、現地協力団体「The Tenth of April(TTA)」とともに、地雷や砲撃、ドローンの危険から命を守る行動を伝える「リスク回避教育」の活動を始めました。4月に現地でスタッフへの研修を行った、地雷対策担当の紺野誠二が報告します。

 

実際に体を動かして身を守る方法を伝える紺野誠二(右)=ウクライナ南部ミコライウ市で2026年4月7日

 

深刻化する民間人被害

ウクライナは、地雷や不発弾による汚染が世界で最も深刻な国のひとつです。同国の統計によれば、2022年2月から2026年4月10日までに1,029件の事故が発生し、1,439人が死傷しました。記録されない被害も含めるとさらに多いと考えられます。

 

被害者の約1割は子どもですが、半数近くに上ることもあるアフガニスタンなどに比べると割合は低く、子ども向け回避教育は比較的進んでいます。一方、成人には酒に酔って手榴弾に触れるなど、防げた可能性のある事故も少なくありません。

加えて、急速に被害が深刻化しているのが「ドローンによる地雷の散布」です。ロシア軍のドローンから小型の対人地雷(PFM-1:ちょうちょ地雷)を投下するケースが増えています。前線から遠く離れた地域にも地雷被害が広がる深刻な問題です。

 

空襲警報を伝えるスマートフォンアプリの画面=ウクライナ南部ミコライウ州で2025年4月8日

 

「知っている」と「行動できる」の差

今回の出張では、TTAの地雷回避教育チームを研修しました。伝えたかったのは、地雷の種類ではなく、被害に遭わないための行動を伝えることこそ回避教育で最も重要だということです。被害に遭わないために必要なのは、リスクの高い地域を感知する力です。どくろマークだけでなく、地元の人が設置した「地雷」の看板などにも注意を払うことが重要です。さらに、知識を行動につなげ、「大丈夫だろう」と危険に近づかない意識を持つことが欠かせません。講師が受講生と対話を重ね、納得を引き出すことが重要であり、研修ではその手法について考えてもらいました。

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