AARは、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナで、地雷や不発弾による被害が特に深刻な地域のひとつであるミコライウ州において支援活動を続けています。隣国モルドバのキシナウ事務所代表のハリル・オスマンが、最新の活動について報告します。
AARが病院に提供した肩関節の可動域を広げるリハビリ機器(2025年8月、ウクライナ南部ミコライウ州)
民間人の死傷者14,383人
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、ウクライナでは2025年9月だけで214人の民間人が死亡しました(うち少年3人、少女1人)。また、916人がミサイル、ドローン、不発弾などによる攻撃で負傷しています。2022年2月24日の侵攻開始以降、累計で民間人の死者は14,383人(うち少年396人、少女314人)、負傷者は37,541人に達しています。
ミコライウ州は紛争の直接的な影響を受けている地域のひとつであり、発電所や病院などのインフラがロシア軍の攻撃によって被害を受けています。また、隣接するヘルソン州を中心に、約13万9,000人の国内避難民が避難しており、特に医療体制がひっ迫し、増大するニーズに十分に対応できていません。また最近では、ロシア軍が国内のエネルギー施設への砲撃を強化し、停電が頻発しています。
AARが提供した下肢の筋力回復や循環改善のためのリハビリバイク(2025年8月、ウクライナ南部ミコライウ州)
病院へリハビリ機材を供与
AARは8月から9月にかけて、ミコライウ市内2カ所の医療施設でも、医療および理学療法用機材を提供する支援を行いました。「ミコライウ州退役軍人病院」には、肩関節を自動で動かし可動域を回復させる機器などリハビリ機材4台を納入。「ミコライウ市立第5病院」には、下肢の筋力回復や循環改善のためのリハビリ用エアロバイクなど8台のほか、椅子やテーブルなどの医療家具を20台ずつ供与しました。納入後は、医療スタッフを対象に、機材の使用方法や最新のリハビリ技術に関する研修も実施。新しい機材の導入によって両病院では負傷者治療の受け入れ能力が拡大し、9月末までに成人41人(女性7人、男性34人)がリハビリサービスを受けています。
病院でのリハビリ支援を受けた人の声をご紹介します。
ヴァレンティンさん
「私は開戦初日からウクライナ軍に従軍していましたが、戦闘中に左足首を負傷し、足を上げることができなくなりました。AAR が支援する病院で、最新の機器を使用したリハビリに励んだ結果、体力と可動域を回復しつつあります」

インタビューに答えるヴァレンティンさん(2025年8月、ウクライナ南部ミコライウ州)
AARのウクライナ支援に引き続きご協力くださいますよう、心よりお願い申し上げます。
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